嬉野茶の茶空間体験イベントが大変好評なのだそう。このようなビジネスを喫茶店が応用できないか、という相談が人気コンサルタントの永江一石さんに届いています。永江さんは自身のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の中で、これからのカフェビジネスの可能性について語っています。
お茶の体験型イベントをコーヒーでも活用できるか
Question
嬉野茶という九州のお茶があります。これまでは様々な場所で無料で提供していたお茶を、体験型のイベントとして15,000円で提供し好評を博しているようです。
https://tea-tourism.com/experience/
喫茶店がこれをコーヒーに応用する方法はないでしょうか。
永江さんからの回答
嬉野茶の事例は通訳やコンシェルジュを配置して主に外国人観光客に向けた本格的な日本茶体験を提供しており、大変人気とのこと。インバウンド需要をしっかり捉えた良いビジネスモデルですね。
お茶って実は奥深く、スーパーで買えるような数百円のお茶から一袋1万円という高級なものまであり、味わいが全く異なります。わたしも以前とあるスキー場のキッチンカーで1杯1,500円のコーヒーを飲んだ時、あまりの美味しさに驚きました。(1杯淹れるのに5分程度かかるので待ち時間は長めw)
コーヒーに1,500円は高いと思われるかもしれませんが、味は本当に素晴らしく、これはプロの技術があってこその味わいなんです。お茶も同様で、単に高級な茶葉を使うだけじゃダメで、きちんとした技術と知識を持った人が丁寧に淹れることで、初めて本当の価値が生まれます。
最近の喫茶店事情を見てみると、昔ながらの喫茶店は苦戦していますよね。(わたしもタバコ臭いイメージがあり敬遠しています)ただ一方でカフェ文化は確実に広がっています。特に若い人たちの間では、カフェはただ休憩をする飲食店ではなく、パソコンを開いて仕事をするなど新しい使い方が定着しています。
これからのカフェビジネスを考えると、単にコーヒーを提供するだけではなく、お茶という選択肢も大きな可能性を秘めていると思います。特に日本茶(お抹茶)は海外からのお客様にとって魅力的な日本文化体験になりますので。15,000円でも喜んで払ってくれる方がいるという事実は、本物の価値があれば十分にビジネスとして成立するという証拠です。
大切なのは「本物の価値」を提供できるかどうか。それさえあれば、1回15,000円というのも決して高過ぎる価格設定ではないと思います。
この記事の著者・永江一石さんのメルマガ
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