なぜ日本の国家も社会も世相も暗く沈んだままなのか
新聞の見出しを一瞥しただけで違和感が湧く。もし本当に日本の大人たちがフィンランドと同程度の世界に冠たる優れた知的能力を持っているのであれば、なぜ日本の国家も社会も世相もこれほど暗く沈んだままなのか。
端的な話、「世界幸福度ランキング」といった調査はいろいろあるが、一例として、ギャラップ、オックスフォード大学福利研究所、国連などが合同で毎年行なっている調査を見ると……、
■表2-世界幸福度ランキング2023(上位50まで)
- フィンランド
- デンマーク
- アイスランド
- イスラエル
- オランダ
- スウェーデン
- ノルウェー
- スイス
- ルクセンブルグ
- ニュージーランド
- オーストリア
- オーストラリア
- カナダ
- アイルランド
- アメリカ
- ドイツ
- ベルギー
- チェコ
- イギリス
- リトアニア
- フランス
- スロベニア
- コスタリカ
- ルーマニア
- シンガポール
- アラブ首長国連邦
- 台湾
- ウルグアイ
- スロバキア
- サウジアラビア
- エストニア
- スペイン
- イタリア
- コソボ
- チリ
- メキシコ
- マルタ
- パナマ
- ポーランド
- ニカラグア
- ラトビア
- バーレーン
- グアテマラ
- カザフスタン
- セルビア
- キプロス
- 日本
- クロアチア
- ブラジル
- エルサルバドル
……
フィンランドはここでも1位で、他にも表1に出てくる国の多くは表2でも上位に入る(それらの国名を表2で太字にしてある)が、唯一例外は日本で、幸福度では47位という二流か三流クラス。少し上のラトビア、グアテマラ、カザフスタンには私も行ったことがあり、その実感と重ね合わせてもまあ順当なところではないかと思ってしまうのだが、とするとこのフィンランドと日本の違いはどこから生じるのか。
理屈で考えると答えは2つに1つで、OECDの成人力調査の手法や設問の仕方に問題があって、日本の成人の知的能力が世界一レベルでフィンランドと並んでいるというのが間違いであるか、もしくは、日本人の成人力そのものはフィンランド人並みに優れていて同調査の結論そのものは間違っていないのだが、他の要因によってそれを発揮することが妨げられてきたために幸福になれないでいるということなのか、そのどちらかということになるだろう。
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