パクチーブーム生みの親に近づく金の亡者たち。縁を切るべく考え付いた「撤退」方針

Tokyo,,Japan,-,October,8,,2023:,Closed,Store,Front,In
 

撤退論~歴史のパラダイム転換にむけて

「撤退」というキーワードで思考を巡らせることの重大さがよくわかる一冊だ。人口が減っていくというのに、右肩上がりの成長の話しか出そうとしない国家は、将来に対して真剣に取り組んでいないことを自ら証明している。「年度」とか「次の選挙」まで威勢のいいことを言っておかないと個人の将来が危ういからという事情は理解できなくはないが、撤退の議論を避けている人たちは将来の選択肢から外すべきだと、論者の文章を眺めていて思った。

僕は何度か「撤退」している。半年で閉じた「鳥獣giga」が最初の大きなものだが、その直前に「地球を救うカレーライス」のランチ業態からも「撤退」した。完全なる敗北であると涙を飲んだのだが、翌月に東日本大震災が起き、「撤退」を決めていなければ致命的なダメージを受けていたかもしれないと振り返り、自らの悪運の強さに少し震えたりもした。

それまでは「流れに乗る」ことをいつも考えていたように思う。それが「流れをつくる」ことを望むように変わった。混乱の時期に会社運営をし、偶然の縁からボランティア的な活動も増やすことになったことが大きく影響をしている。

サハラマラソンに出場しちゃったのは完全なる事故みたいなものだが、不惑のチャレンジだとか会社の業務との関連性をでっちあげ、完走したことで、「流れをつくる」志向は度を高めた。そして、パクチーブームの火付け役になり、ずいぶん調子に乗るところだった。しかし、近づいてくる人たちがいわゆる広告代理店の金の亡者たちばかりで、話しても楽しくないだけならまだしも僕の事業とか夢を全力で壊そうとしてくるので、呆れた。

そういう人たちと完全に縁を切ろうと思ってたくさんのことを考えた結果、――(この記事は約4分で読めます ※1,586文字)

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image by:Kazuno William Empson/Shutterstock.com

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