マツダは新ブランド無し
アバロンも一汽トヨタというブランド、広汽トヨタのカムリの姉妹版、という強みをフルに生かしてきた。
また、長安マツダも初のNEVとしてEZ-6を展開するにあたって、新たなブランドを立ち上げず、長安マツダのブランドのもと展開している。
販売減少著しいとはいえ、長安マツダというブランド自体の認知度は今なお高い。
これが常道であり、中国ユーザーからも、「今からでも霊悉Lのエンブレムをホンダのものに変えれば爆売れするのでは?」と揶揄されている。
相当詳しくないと、ホンダ=霊悉は中国において、まだまだ結びついていないのが現状だ。
マツダはREEVも展開
そして、長安マツダのEZ-6が初月から好調だったのは、REEVも合わせて展開しているからだ。
ざっくりとだが、2445台のBEVとREEVの販売比率は1:4程度と思われ、BEVが今の中国ではなかなか売れない、を体現している。
BEV/REEVのダブル展開は、日系としては初の試みだが、中国現地ではメジャーな手法になっている。
BEVだけに固執するのは、蔚来(NIO)等今や少数派。「e:」「イエ」、そして霊悉と、なぜかホンダもBEVに固執している。
そもそも霊悉Lを展開している東風ホンダ、その合弁相手である東風集団こそが積極的にBEV/REEV(PHEV)のダブル展開を図っている。
可能性はあったのに
思い切った価格、その背景となるであろう東風集団のリソースの積極活用がみられた霊悉Lは、ある程度成功するのではないか、とも予測されたが、少なくともスタートダッシュは散々。
まだ始まったばかりで、その前途をすべて否定するのも無理はあるかもしれないが、中国のこの「巻き」の時代、時間は何より重要だ。
霊悉の船出からの想起
新ブランド立ち上げリスク、あくまでも車種名、シリーズ名としてのみ位置付け、エンブレムは中国でも徹底的に認知されているホンダのものを採用、REEVの可能性も模索。
これらのことはここで言うまでもなく、東風ホンダ社内でも議論されただろうし、そちらの方が可能性が高いのも分かっていただろう。
しかし、それができなかったところに、中国市場で負け組になろうとしている、この期に及んでも何らかのパワーバランスで社内が動いてしまっているような気がする。
飛躍して言えば、日産と経営統合したところで成功するのか、との思いを掻き立てられる、ホンダの闇の深さを感じる、そんな霊悉の船出だ。
出典: https://car.yiche.com/newcar/salesrank/?level=5
※CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。
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image by: Robert Way /Shutterstock.com









