現役医師が注意喚起。肥満やメタボリックシンドロームは何が「恐ろしい」のか?

 

内臓脂肪の蓄積がある人に「メタボリックシンドローム」が発症してきます。

メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態です。

内臓脂肪は年をとると、より蓄積しやすくなることが知られています。

男性の肥満者では、年齢と共に内臓脂肪の割合が増加していきます。

特に成人後体重が増加した人は、内臓脂肪が増えている場合が多く認められます。

女性の場合は、妊娠時に体脂肪が増加しますが、皮下脂肪も増えます。

また内臓脂肪は閉経期を迎えるまでは徐々にしか増加しませんが、閉経後は2倍以上の速さで増加します。

内臓脂肪は、近年ホルモン産生臓器と位置づけられています。

即ち血圧を上昇させるホルモン、インスリン抵抗性を引き起こすホルモン、狭心症や脳梗塞を発症しやすくするホルモンなどを分泌していることが解ってきたのです。

皮下脂肪はこれらの身体に都合の悪いホルモンはほとんど分泌していません。

単純に言えば、皮下脂肪は食料の備蓄として役に立っているけれど、内臓脂肪は基本的に悪玉と言えます。

◆糖質制限食で内臓脂肪を減らす

内臓脂肪の蓄積を減らす最も有効な方法は糖質制限食の実践です。

糖質を摂取すると血糖値が上昇します。

そうするとインスリンが分泌されて、血糖を筋肉に取り込ませて血糖値を下げます。

しかし余った血糖は、インスリンにより中性脂肪に変えられて脂肪組織に蓄積していきます。

インスリンが肥満ホルモンたる所以です。

糖質制限食なら、血糖値の上昇は最小限で済むので、インスリンの分泌も最小限で済みます。

肥満ホルモンであるインスリンの分泌が最小限で済むので、糖質制限食実践により、内臓脂肪蓄積が減少していくわけです。

勿論、糖質制限食実践で、肥満、肥満症、メタボリックシンドロームは改善していきます。

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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