中国人詐欺集団を取り仕切っている可能性の高い人物
● 「日本人も買った」ミャンマー人身売買の闇…中国系組織に監禁された男性“実態”証言
中国・上海で取材に応じた許博淳さん(38)。長身で、はつらつとした話しぶりからは、2年前に彼の身に起きた事態を想像するのは難しい。2023年7月、アルバイトでドラマなどのエキストラをしていた許さんは、SNSで“ドラマの撮影スタッフの募集広告”に申し込み、ミャンマーとの国境の街・雲南省のシーサンパンナを訪れた。集合場所となったマンションの一室では「最上位クラスの極秘ドラマだ」との説明を受け、身分証と携帯電話を預けさせられたという。
(中略)
許さんが監禁されたのは、ミャンマー北東部にある人身売買が行われる拠点だったという。一日2回の食事は見張り役の食べ残しで、手錠をかけたまま手で口に運び、拒否すれば暴力を振るわれる。さらに預金を引き出し、ローンを組み、友人や親戚をだまして連れて来るよう要求される。金銭や人間関係を徹底的に搾取された後、「売りに出される」というのだ。
暴行も日常的に行われ、抵抗した人が銃殺されたこともあったという。
このように次々と脱出者のニュースが世界に配信されていることから、ミャンマー軍はミャンマーにアジトを構える詐欺集団を一斉摘発し、そのうちの9割が中国人だったということです。以下、報道を一部引用します。
ミャンマーで実権を握る軍は、おととし10月から今月13日までの1年3か月あまりの間に詐欺などをしていたとみられる外国人5万5711人を送還したと発表しました。
このうち、中国人が5万3300人以上と全体の9割以上を占める一方、送還された外国人の出身地は東南アジアのほか、南アジアやヨーロッパ、アフリカなど、30以上の国と地域に上っていますが、日本人は含まれていないということです。
● ミャンマー軍 外国人約5万6000人送還 詐欺などしていたか
こうした中国人詐欺集団を取り仕切っているのは、中国の裏社会では有名な人物であることが多くあります。そして、その人物は中国共産党とのつながりを持っていることもよくあります。中国共産党は、裏社会とつながっており、時には裏社会の力を借りて情報を集めたり、裏工作をしたりしているとの噂はよく聞きます。
そんな噂を裏付けるような内容の記事を書いたジャーナリストの福島香織氏は、記事の中でこのように締めくくっています。
中国人を騙し、拉致し、監禁し、見張り、いじめ、搾取し、害するのは中国人。こうした中国人コミュニティ内の犯罪は、表向き投資や実業の形で入ってくる。そして実は共産党の支配、監視、コントロールの中で行われがちだ。
中国本土であれ、海外であれ、中国が進出し、大勢の中国人が集まりコミュニティを形成すると、こうした構図、しくみができがちだ。それは、中国共産党社会の縮図のようなものといえるだろう。
日本に今、こういう中国共産党社会の縮図のようなコミュニティができ始めていないだろうか?
例えば、大阪IR構想には中国資本は入っていないという触れ込みだが、大丈夫だろうか。今の日本政府は、中国企業や中国人投資家に多くの期待を寄せ、歓迎する姿勢を示している。だが、油断するとこうした犯罪シンジケートと中国国家安全・公安関係者が日本国内に入り込むスキを生むことになる。
これは国内治安の問題だけでなく、国家安全や主権にも関わる問題として注意を喚起したい。
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