(2)消費税を廃止する
そして前回も紹介しましたが、日本の消費税もトランプ氏に言わせれば非関税障壁であり、米国の自動車輸出などに不公平をもたらしていると見られています。
彼の不満を回避するには、消費税を廃止するか大きく引き下げるしかありませんが、政府与党は簡単には受け入れられないとしています。野党からすれば、この外圧を利用して消費税引き下げ交渉に出る手はあります。
トランプ圧力を軽減するもう1つの手は、消費税を国税から米国のように地方に移管し、米国同様に地方自治体ごとの「セールスタックス」に変えることです。そうすれば米国と同様の条件になります。国は簡単には放棄できませんが、地方に移管して、その分地方交付税(約16兆円)の見直し、再配分を考える道があります。
(3)行き過ぎた円安を修正する
トランプ政権は日本の円安と、これをもたらす低金利政策を非関税障壁としています。円安・低金利は、国民にとっては負担が大きい一方、産業界には大きなメリットがあります。
これを外圧によって修正することになれば、これまでの産業支援型の自民党政治にメスを入れることができます。
産業界にはデメリットですが、一般国民にとっては輸入コストが低下し、金利のある世界はプラスになります。結果として、日本の政治の目が、産業界から国民に向けられることになり、本来の政治の姿に戻る面があります。
(4)「ジャパン・ハンドラー」を追い出す
戦後、米国には敗戦国日本を操る勢力、いわゆる「ジャパン・ハンドラー」がいて、彼らが事実上日本を支配してきました。近年ではリチャード・アーミテージやマイケル・グリーンといった名前が上げられます。
彼らはある意味では日本を知り尽くし、米国に都合の良い形に操ってきました。これをトランプ2.0は追い出す形となりました。
もちろん、トランプ政権が新たにジャパン・ハンドラーを用意する可能性もないではありませんが、ここまでは「デストロイヤー」として既存制度を破壊する面が色濃く出ています。
彼らにすがってきた自民党政権には不安要因でしょうが、石破総理は日米地位協定を念頭に、これまでの日米関係の見直しを望んでいるだけに、米国寄りの制度を見直すチャンスとなります。(次ページに続く)









