「スマイル要求」は基本的にハラスメントである
まず「スマイルあげない」についてですが、昭和・平成的な感覚で言えば、「感情労働」だとか言って勝手に消耗するのは勘違いでしかない、という意見もあると思います。
「接客時は適当に顔の筋肉を動かしておいて、心のなかでアッカンベーすればコスパは減らない」という感じです。
また、あんまり「スマイルの安売りをしない」ようになると、日本独自の「おもてなし文化」のコストが上がってしまう懸念もあるかもしれません。
そうではあるのですが、この「スマイルあげない」という考え方は、基本的には正しいのだと思います。
まず、昭和・平成的な「スマイル0円は当然」というカルチャーの背後には、巨大なハラスメント構造があったのは事実です。
単に「顔の筋肉で笑って、心のなかではアッカンベー」では済まない猛烈な消耗を強いられ、人格を傷つけられてきた人々がたくさんいるのです。
また、人工的な笑顔が横行することで、「明らかに会社に強制されている」笑顔が社会に溢れ、それによって人間というもの全体の尊厳が壊されてきたとも言えるでしょう。
そう考えると、思想として「スマイルあげない」を軸におきながら、「笑顔が自然に出てくるような環境」を目指していくのが良いのだと思います。そんな環境を作ることができれば、雇用主も労働者も消費者も全員がウィン(Win)となるからです。
「ごちそうさま」はマナー違反ではまったくない
ですが、もう1つの「お金を払っているのに、ご馳走様はマナー違反」に関しては、まったく間違っていると思います。その理由として、4つ指摘しておきたいと思います。(次ページに続く)









