東京高専パワハラ自死事件で、元官僚エリート理事が遺族に「トンデモ発言」をメール送付の異常事態

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若き才能が集い切磋琢磨する東京高専で2020年10月に発生した、一人の学生の自死事件。この事件を2021年に取り上げ、学生を死に追いやった東京高専の教職員のパワハラ行為を誌上報告していたメルマガ『伝説の探偵』の著者で現役探偵にして「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんは、この事件の続報をメルマガで報告。その中で、本事件の被害者の遺族が、国立高等専門学校機構の元官僚エリート理事から送られていたという「酷いメール」とその後の悪態を白日の元に晒しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:東京高専パワハラ自死事件で高専機構理事が遺族にパワハラ!?

人間偏差値を疑いたくなる元文科省出身エリート理事の暴挙

いまや多くの人が公的な機関や公人の嘘に飽き飽きしていることだろう。

いじめ被害者やその家族は、まず間違いなく、そうした嘘に直面する。

そして、何度も裏切られ騙される。真実を明らかにするために裁判に挑めば、それまで認めていたことをすべて認めないという二枚舌の被害に遭う。

例えば、今月中旬あたりに報道される予定であろう被害者は、学校に第三者委員会を設置すると言われて、本来であれば「調査対象になるはずの者」が、「第三者委員会の委員」であるというトンデモナイ不正を、当たり前の対策のように説明された。違和感を持っても、そう決まったのだと宣告されたら、そういうものなのか思ってしまう人も多いのではないだろうか。

こうした事例は枚挙に暇がない。

私が相談を受けて資料を送ってもらったときにはもう遅いというのは毎度のことである。利害関係者が第三者委員に入り込んでいることはよくあることであり、自浄能力がある第三者委員会は少数派であろう。

この『伝説の探偵』で何度も取り上げている「東京高専パワハラ自死事件」の第三者委員会では、委員の一人が途中で辞任をしているが、これは学校職員と極めて薄い関係性(廊下ですれ違う程度)があることが後にわかった。その時点で、調査を厳正にするためにした措置であったという。

こうした自浄作用がしっかりと働く第三者委員会でも、その設置者に問題があったらどうだろう。

東京高専パワハラ自死事件については、すでに調査が終わっているというようだから、彼ら自身が公表するのを待つとして……その裏で、実は問題が起きている。

東京高専など高等専門学校を設置している独立行政法人「国立高等専門学校機構(以下、「高専機構」)」の理事の1人が、遺族に「とんでもない注文」を付けたというのだ。

東京高専パワハラ自死事件は、2020年10月5日、東京工業高等専門学校の学生会長であった野村陽向(ひなた)さんが自死した事件で、野村さんは執拗なパワハラを受け、嫌がらせも受けていた。

【参考記事】いじめ探偵がパワハラ教員を告発。東京高専の生徒を自殺に追い込んだ悪魔の所業(MAG2 NEWS)

元エリート官僚の暴言

まさに、加害行為は教員が行ったわけであり、高専機構の理事は、組織上その親玉みたいなポジションになるだろう。そして、これまでも問題がありつつ、暴走する理事はいなかったと記憶しているが、今回「文科省の上級官僚出身の理事」は、ものすごい暴挙に出た。

2024年10月、ご遺族は休日に時間を作り、高専機構の理事ら責任者と話し合い等をしていた。これに前後して、すでに第三者委員会調査は終結しており、その記者会見等をどうするかが、高専機構側の都合で二転三転、延期するなどドタバタ劇が繰り返されていたのだが、当然に決めていくことやすり合わせておきたいことなどで会話は長くなる。

当然、高専機構側の責任者は仕事の一環であろうが、ご遺族は我が子の事ではあるが仕事ではないし、我が子の命は教員の執拗なパワハラが原因で失われたのだ。ご遺族からすれば、教師に殺されたも同然であり、その場にいることすら辛い状況であろう。

長くなれば疲労も精神的ストレスも重くのしかかるわけだ。

その状態であったのに、問題のエリート理事は、ご遺族にメールで、こう言い放ったのだ。

「昨日5時間も話を聞いたが、正直集中力が保てない。もう知っている間なんだから、30分以内で終わらせてくれ。」(要約)

原文はもう少し丁寧だが、丁寧であればこそ嫌味にも受け取れる。

ご遺族に自分たちの都合で休みの日にわざわざ時間を作らせておいて、長いから30分で終わらせろ、集中力が持たないよって、普通の神経でメールしてしまえる、このエリート理事の人間偏差値はいかほどであろうか。

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