大都市圏のみならず、全国の飲食店が時に数百万円単位の被害に遭っている「ドタキャン詐欺」なる新手の犯罪をご存知でしょうか。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では著者の多田文明さんが、その巧妙に過ぎる手口を紹介。さらに「ドタキャン詐欺」にとどまらない、海外の犯罪組織の関与が疑われる事件を複数取り上げるとともに、こうした犯罪の防止法を考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:飲食店にドタキャン詐欺 外国人の組織的犯罪グループによる被害対策は急務
飲食店にドタキャン詐欺を行う、海外の犯罪グループの存在がみえてきた
飲食店に大量の予約注文を入れて、直前になって、高級ワインなどの仕入れをするようにお願いをして、その代金をだまし取るドタキャン詐欺は、やはり海外の犯罪グループの仕掛けであることがみえてきています。
中国系犯罪グループがしかけるロマンス詐欺もそうですが、決して日本だけが狙われているわけではなく、全世界に向けて行われています。その中で日本人がだましやすいターゲットとみられており、その結果、国内では甚大な被害となっています。
飲食店を狙った詐欺でも、韓国でも飲食店に大量注文を入れてから、高級ワインなどの高額商品などの納入をさせるなどの同じ手口が横行しています。
昨年11月には、日本の中華料理店にオードブルの予約を入れて、高級アワビの購入をさせて、商品を送らずお金をだまし取る事例起きています。この時、電話をかけてきたのは、中国語を話す人物だったそうです。
つまり、日本語、韓国語、中国語で電話をかける者たちがいて、そしてLINEに誘導させるというマニュアル化された手口になっていますので、この背後には、やはり海外の犯罪グループの存在が考えられます。
今後は、業種業態を問わず、飲食店以外のドタキャン詐欺は発生する恐れがあります。
実際に、私が今月出演した「DayDay.」(日本テレビ)でも、塗装販売店に、学校関係を装っての電話があり、防災グッズを仕入れてほしいと言われて、架空の業者を紹介されて、お金をだまし取られそうになった件も紹介されており、個人経営のお店の方は、注意をお願いします。
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外国人の組織的犯罪グループによる被害対策は急務
日本に住む外国人による犯罪が多発しています。そうしたなかで、石破首相は対応強化のために「司令塔となる事務局組織を設置する」との方針を表明しました。
その背景には、次のような事件の存在もあるかと思います。
SNS型投資詐欺で得た犯罪収益(約500億円)を資金洗浄したとして、すでに逮捕されている中国人の男が、日本国内の老人ホームや工場などの不動産を購入し、それを別の中国人に転売して、2億円の不正な利益を得ていたといいます。
中国人が日本の不動産を購入して転売することがあり、そのなかには犯罪収益で得たお金を元手に、転売行為で利ざやを稼いでいる可能性を感じていましたが、その実態が明かになりました。
次は日本企業の事例ですが、背後には海外の犯罪組織の関与が疑われる事例です。
「口座名義人の会社に貸し付けがある」というウソの借金の内容で公正証書が作られて、詐欺に使用された疑いで凍結された口座への強制執行がなされて、お金が引き出された事件がありました。
都内のコンサルティング会社は、この行為を全部で25件(約3億円の引き出し)していたといいます。
そもそも凍結口座に入っていたお金は、ロマンス詐欺などによる被害金ですから、その事実を被害者と銀行くらいしか知らないはずです。となれば、ロマンス詐欺などの海外の犯罪グループなど加害者側からもたらされた情報をもとに、このような行為をしたと考えられます。
これも、ある意味、外国人らの組織的グループの主導による犯罪といえます。
報道によると、公正証書で9,000万円を借りていた形になっていたプログラマーの男性は、コンサル会社から「あなたに9,000万円の借金があることにする」「こういうことは、よくやっているから」と言われたということですので、この人物は名義貸し的な存在の役回りだった可能性があります。
まさに組織的に役割分担をさせながら、コンサル会社の主導のもとで、お金を不正に取ったことになります。
いずれにしても、これは詐欺に遭って苦しんでいる被害者に二重の苦悩を与えることになりますので、不正を防ぐためにも、現在行っている法務省による調査が厳格に行われることが必要です。
(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2025年7月14日号の一部抜粋です。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)
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