恐怖!カスタマーサービス地獄。AIとの電話対決を何度も強いられた男性の「壮絶な戦い」全記録

 

「こちらは○○○○カスタマーセンターです。ご希望の内容をピーっという発信音の後に言ってください」

「オペレーターと話がしたい」

「お客様がお掛けになっている電話番号当てにお問い合わせ先を記載したショートメールをお送りしてもいいでしょうか?」

「はい」

「ありがとうございました(プツっ、ツーツーツー)」

これでやっとまともに人間と話ができる。メールを見るとリンクが貼ってある。タップして驚いた。ただのメールフォームである。企業サイト草創期から存在しているあのメールフォームである。

「古っ!AIはどこに行った。て言うかわざわざAIを導入してあの応対かよ。一体どこのポンコツコンサル会社とポンコツベンダーの仕事だよ」

そう思いながら私はだいぶ消耗した忍耐力を振り絞ってフォームに記入する。

「どういう訳かサービスが利用できません。オペレーター(人間)と話がしたいです」

AI、AIとしきりに言うけれど、やはり使い方ひとつである。これなら人間が電話対応してAIがメール対応した方が、よほどことが早く進む。カスタマーに対する(カスタマーが受ける)印象もいい。

それにしても企業の「AI導入してます」アピール程、傍ら痛いものはない。それがしょぼいと猶のことである。

どうやらこれはAIではなく人間の側の問題のようである。きっと永遠にそうなのであろう。

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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