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がんの40%は肥満が原因?米国のデータに見る「肥満とがん」の深い関係

肥満が「がんのリスク」を高めるという事実をご存じでしょうか?メルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』著者で糖尿病専門医の江部康二先生は、肥満とがんの関係、どのような種類のがんと関係があるのか、そして予防に繋がる食事の工夫を紹介しています。

肥満とがんリスク

日本では、BMI30以上の成人の肥満者は、極めて少ないです。

2015年のデータで、男性が4.4%、女性が3.1%です。

米国では、BMI30以上の成人(20歳以上)の肥満率が、世紀の変わり目からずっと上昇を続けています。

1999-2000年には30.5%だった割合は、2015-2016年には過去最悪の水準をさらに更新し、39.6%に達しました。

2015年のデータでは、男性が35.5%(日本の8倍)、女性が41.0%(13倍)です。

日本と異なり、米国では女性の方が肥満率が高いです。

米国のデータでは、がんの40%が、過体重と肥満に関連しているというデータがあります。

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1007511052/

2017年10月07日 のメディカルトリビューンに米、がんの40%が過体重と肥満に関連という記事が掲載されました。

米疾病対策センター(CDC)の月例報告「Vital Signs」の内容を紹介した記事です。

国際がん研究機関(IARC)は、過体重・肥満関連がんは、髄膜腫、多発性骨髄腫、食道腺がん、甲状腺がん、閉経後女性の乳がん、胆?がん、胃がん、肝がん、膵がん、腎がん、卵巣がん、子宮がん、大腸がんの13種であることを確認しています。

やはり、CDCの調査では、成人の肥満率は、1999-2000年には30.5%だったのが、2013-2014年には過去最悪の37.7%に達しています。

2015-2016年には過去最悪の水準をさらに更新し、39.6%に達しました。

「過体重+肥満」を合わせれば、60-70%にもなります。つまり、米国では標準体重のほうが少数派になっています。

過体重、肥満に関連しないがんは13%減少していたのも興味深いです。

このような、肥満大国米国のデータを日本にそのまま当てはめるわけにはいきませんが肥満と過体重がガンのリスクになる構造は同様と考えられます。

肥満の人は、高インスリン血症です。

すなわちガン、発症リスクの最大のものは、高インスリン血症と思われます。

高インスリンは、がん以外にも、老化・動脈硬化・アルツハイマー病などのリスクとなります。

過剰のインスリンは活性酸素を発生させて、酸化ストレスリスクとなります。

過剰のインスリン分泌を予防できる唯一の食事療法が糖質制限食です。

すなわち、過体重と肥満に関連するがんの予防が可能なのは糖質制限食です。

2017年10月07日のメディカルトリビューン記事『米、がんの40%が過体重と肥満に関連

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image by: Shutterstock.com

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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