中国とのAI覇権争いに打ち勝つ。アラブ首長国連邦の全公共施設で「ChatGPT有料版」を無料開放したOpenAIと米国のしたたかな戦略

 

まさにウィンウィン。アメリカとUEA両国のメリット

中国に競り勝つためUAEと組む。アメリカ(オープンAIを含む)のメリット1

一番のメリットはなんといっても地政学的なメリットです。

AI覇権争いでもアメリカは中国と競い合っているので、今のうちに中東で資金力も影響力もあるUAEとパートナーシップを組みたいのでしょう。

AIインフラでUAEと提携すると、サイバーセキュリティーの観点から、軍事面や安全保障面でも提携していくのが自然なシナリオになることをアメリカ政府はよく分かっているのです。

UAE側の「依存度」を高める。アメリカ(オープンAIを含む)のメリット2

中国のディープシーク(チャットGPTと同じような生成AI)ではなく、チャットGPTをインフラにしておくことで、チャットGPTとAPI連携できるアメリカ発のビジネスを展開しやすくなります。

金融でも医療でもバイオでもあらゆるアメリカ発のソフトウェア企業がUAE国内で活躍できます。

そうするとますますチャットGPT無しには、UAE国内でビジネスが成立しにくくなります。依存度が増すという意味です。

UAEは米国内のインフラ整備に巨額投資を約束。アメリカ(オープンAIを含む)のメリット3

UAE側は首都のアブダビにStargateスーパーコンピューティング施設(最大1GW)を建設するだけでなく、アメリカ国内のAIインフラ整備にも同額規模の投資を約束しています。

石油で儲かってる国はすごいな~~~!

すごい太っ腹!

先行投資をしておきたいという思惑。UAEのメリット

実はUAEは世界で最初に「AI大臣」なるものを任命した国(2017年)で、AIに対して先進的な考えをもった国です。

これは、やがて訪れる「化石燃料をもつ国が覇権を握る時代の終焉」を見据えて、AIによる先行投資をしておきたい思惑が一致した形だと思います。

これからUAEにどのような変化が起こるのか

ここからが今日一番言いたかったことです。このコーナーの後の「気になった日本のニュース」というコーナーとも関係がありますので併せて読んでください。

有料版と無料版の違いは、

  • 回答の精度
  • 回答の速度

と言いましたがこの2つは本当に大きな差を生みます。

回答の精度も大事ですが、回答の速度もとても大事です。無料版はときどきフリーズしたり反応しなくなったりします。僕のようなヘビーユーザーはとてもイライラして使えたもんじゃありません。

たったの月20ドル(3,000円ほど)で、東大卒の優秀なバーチャル秘書を雇える時代がきました。

これを有効活用しない手はないと思います。

これからUAE国内ではどんどん国民レベルでAI活用の知識がつき、業務が効率化され、労働生産性が上がり、新しいビジネスが生まれ、そしてなによりそこに優秀な人材が世界中から集まり、国が発展していくでしょう。

そしてその格差は、どんどん世界中で広がっていくでしょう。

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