ホンマでっか池田教授が警告!南海トラフ巨大地震と首都直下大震災が日本を破壊する日

 

南海トラフ地震では、高知県の土佐清水市や静岡県の下田市で、30mを超える高さの津波が想定されており、津波にのみ込まれる場所に自宅がある場合は、転居を考えるのもありかと思う。また自宅を建てたり、マンションを買ったりする時には、立地と地盤を考えて、なるべく安全な場所に住むようにすれば、南海トラフ地震で命を落とす確率も減る。

首都直下地震では、地震の際に起きる火災をどのように避けるかが最も大事である。首都圏で火災が起きそうなところは木造家屋が立て込んでいる下町である。インターネットで調べれば、危険な場所と比較的安全な場所がわかるので、新居を探す時の参考にして欲しい。当然のことだが、西多摩の過疎地は危険が少なく、区部では荒川区、足立区、墨田区などに危険な地域が集中している。区部で一番安全なのは千代田区である。火災は避けることができなくとも、火災が起きた時にいち早く逃げられるところに住めば、焼死する確率は減る。普段から自宅の周りの道を調べておき、逃げ道を考えておいた方がいい。

あとは、どんな地震にも言えるけれども、寝ている時に家具の下敷きになって動けなくなることが結構あるようなので、家具の傍では寝ないとか、どうしても狭くて場所がない場合は、家具をしっかりと固定して倒れてこないようにすることも重要である。

さて運よく助かったとして、水道、電気、流通などのインフラが壊滅していると、生きていくのが大変である。1週間分の水と食料は確保しておくとか、携帯トイレを1日5回として1週間で35回分用意しておくとか、は今や常識だが、とりあえず、インフラが復興するまで凌げれば、あとは何とかなるというものではなさそうだ。大震災が来た時に日本の国力が回復していないと、そんなに簡単にインフラを復興させることができないだろう。

土木学会が発表した南海トラフ地震の経済・資産の被害総額は、最悪の場合1466兆円、首都直下地震のそれは約1000兆円である。日本のGDPは600兆円だから、これだけの被害が出ると、速やかな復興はまず不可能だ。ちなみに東日本大震災の被害総額は17兆円である。

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