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100店舗超の居酒屋チェーンが描く「低価格」と「中価格」という二極戦略のリアル

居酒屋業態で100店舗以上を展開する企業が、次に考えている戦略はどのようなものなのでしょうか?今回、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんの発行するメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、飲食業界の次なる一手を深掘りしています。

100店舗以上展開する企業が今考えている事

先日は居酒屋を100店舗以上展開するご支援先と今後の戦略を議論。

今後どのように差別化をしていくか? この視点で参考になりそうな点があったのでそこを深掘りしていこうと思います。

■今後も勢いがありそうな領域

・客単価3,000円台低価格の居酒屋

・客単価5,000-7,000円台中価格居酒屋

この辺り。

ここまで実質賃金が上がらない中だと、飲食は値上げすべきではあるのですが低価格が好調なのも事実。

特に何十店舗も展開していくには、その再現性は必須になってきます。

その点でどう低価格を実現するか? ここは投資力の差が出るという判断に。

逆に「ちゃんと美味しいものを食べる」となれば手間暇がかかる=人件費がかかってくるため、客単価5,000-7,000円の中価格が強いと。

この辺りは多店舗展開を特に狙わず、一つの業態として持っておくのはあり。

特に社内独立であったり、色々と試したい社員さんが生まれた時に、任せていくのはありだよねという判断に。

この2つの領域を強化していくため、中途半端な真ん中や差別化ができないポジションは絶対に取らない。

これが基本的な考え方になります。

■低価格を維持するために

・仕入れ商品中心

・PBが中心

これは厳しいという判断に。こちらは未上場企業なのですが、同規模の上場企業のIRは分析します。

そうなると原価率の高騰幅大きいのが「PB依存度」が高いのもポイントでした。

・製造原価

・物流コスト

これが共に上がっているので値上げになるのはもちろん理解できます。

しかしこちら側としても、既存店客数と客単価の推移はかなりシビアに見ている訳です。

そのため、既存店客数を維持できる幅で仕入価格高騰ならば良いのですが、異常値が来ると困る訳です。

FCではなく直営を前提に展開すると自社CKよりもPBの方が正直効率的です。

仕込みを完全委託して、店でやるのは調理と接客だけ。

デフレの時にはこれがかなり有効でしたが、インフレ時代は中々に難しい。

粗利ミックスがしやすい業態なら良いのですが、名物が明確でそれを委託していると、難易度がとても上がってきます。

そのため、こちらでは低価格を維持するため

・店舗での仕込みは極限まで減らす

・自社で小型CKを展開していく

この辺りをチェックしています。

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■物流コストの考え方

何故小型CKなのか? その考えの一つが物流です。

直営・FC問わず全国展開する中で、作ったものをどう届けるか?

これはやっぱり肝になる訳です。

遠方になればなる程コストは上がりますし、そうなれば物流頻度を下げる必要があり、同時にCKも店舗も設備投資が増えます。

かなりの密度で出店できれば、

・超大型工場を地域別に

・そこからの大型トラック物流

これが効率的。ただこちらのご支援先の規模でもそれはコストが見合わない。

そのため、

・密度が高いところは自社物流

・飛地のところは大手物流会社の冷凍配送

このように切り掛けており、上記各々のコストもかなりネガティブにPLに入れ、それでも全社コストが圧縮できるか。

ここを見ています。

■地域性の考え方

何故小型CKなのか?の2つ目が地域性。

完全に全店舗同じモデルの展開も良いですが、こちらの企業では基本概念が少し違います。

・地域別価格の導入

・地域別メニューの導入

これをやろうと考えています。

そうなると大型工場でーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2025年7月28日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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image by: Shutterstock.com

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関西学院大学卒業後、新卒で船井総研に入社。当時史上最年少にてフード部のマネージャー職へ。その後事業承継と起業を行い、 京都にて外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポート。事業規模は年商2,000万~1兆円企業まで幅広いです。外食/フードデリバリーが専門領域なので、それについての情報を書いています。

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