ネット上に氾濫する人民の「怨嗟」の声と「人災」の文字
中国には古来、「治国先治水」という言葉があります。「国を治めるには、まず治水から始めよ」という意味ですが、中国では、昔から、水を治めることが国を治める第一歩だったのです。
「黄河を制する者は国を制する」などという言葉も残っています。大暴れする大河を治めることが出来れば、帝王になることも夢ではありませんでした。それほど、中国大陸の人々は長江や黄河など大河の氾濫に悩まされ続けて来たのです。
逆に、いかなる暴君といえども、治水に失敗すれば、それは致命的な失政となり、その地位も危うくなるのです。大河の氾濫は飢饉を引き起こし、民衆の不満に火をつけ、暴動や反乱が繰り返され、やがて政権が崩壊するからです。
そして今、ネットには人民の「怨嗟」の声と共に「人災」という文字が踊っています。
各地で造成された大規模都市も、それを支えるインフラとしてのダムも、治水排水施設も、いずれも共産党政権の指導の下に造られて来ました。
政治と行政の欠陥が、現在の大規模災害に繋がっていることは明らかです。自然災害の過激化に対して、共産党独裁政権という旧態依然とした政治システムは、全く無能で対応不能状態に陥り、何も打つ手を持たないことが露わになってしまいました。
現共産党政権は、今まさに水に沈みつつあります。75年続いた中国共産党による一党独裁の全体主義政権も、そろそろ賞味期限切れとなったのでしょう。
私も76歳となりましたが、かつて「ベルリンの壁」が崩され(1989年11月)、「ソビエト連邦」が崩壊するのを目撃した当時(1991年12月)は、「100年に一度の体験が出来た」と、大いに感動したものですが、まさか、生きている内に、もうひとつ巨大な独裁帝国の崩壊を目撃できるとは思いませんでした。長生きはするものです。
ま、足下に視線を戻すと、かなり小規模とはいえ、日本でも同様の陳腐な政権交代が近付いているようです。
日本の国民が「与党(自民・公明だけじゃありません。補完勢力としての立憲・共産にも厳しい眼が注がれ、自・公以上に得票を減らしました。「既成政党」と言うべきかもしれません)」を見放したのも、石川の大地震やそれに続く豪雨被害への政府の対応の遅れあたりからだったようにも思います。
最早、「55年体制(自民党が親米的な保守与党、社会・共産などの野党は護憲と革新を旗印にこれと対立。プロレスを演じる間に実質、官僚が国を運営する政治行政システム)」は機能しなくなりました。完全に過去の遺物です。
中国共産党が先か? 日本の戦後体制が先か?
(メルマガ『富田隆のお気楽心理学』『富田隆のお気楽心理学』8月8日配信号より抜粋。同号の「ムーン・リバー」「残暑お見舞い申し上げます」はご登録のうえお楽しみください。初月無料です)
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