トランプの「ノーベル平和賞」受賞など到底無理だと証明された米露アラスカ会談の腰抜けぶり

th20250818
 

全世界が注目する中、アラスカ州アンカレッジで行われた米ロ首脳会談。しかしその内容は各国メディアが伝える通り、期待外れなものとなったことは否めません。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、当会談を「プーチン大統領のデモンストレーションの場としてしか機能しなかった」と一刀両断。その上で、トランプ大統領の力ではウクライナ戦争を解決に導くことなど不可能とばっさり斬っています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:大山鳴動して鼠1匹も出なかった米露アラスカ首脳会談/複雑骨折化して単純ディールでは解決不能なウクライナ問題

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

大山鳴動して鼠1匹も出なかった米露アラスカ首脳会談/複雑骨折化して単純ディールでは解決不能なウクライナ問題

ユダヤ系ロシア人で米国でジャーナリストとして活動するマーシャ・ゲッセンは、アラスカでの米露首脳会談について事前にこう予測していた(NYタイムズ8月14日付)。

▼プーチンが何より望んでいるのは、トランプと会談を開くことで自分のパワーを全世界に見せつけることであり、トランプはそのプーチンの望み通りのものをプレゼントしようとしていることに気がついていないようだ。

▼トランプはさらに追加のプレゼントも用意していて、それは、ゼレンスキーもEUも抜きのこの会談をセットすることで、「この紛争は本当のところ、ロシアと米国の間で起きていることなのだ」というプーチンの年来の主張にお墨付きを与えてやることである。

▼つまり、プーチンは会談場に足を踏み入れた時点ですでに欲しいものは手に入れていて、それに加えてさらに、アラスカが歴史的にはロシア領だったことについてちょっと気の利いたことを話す機会にも恵まれているわけである(あくまで予想だが)。

▼従って、仮に会談が何の合意も生まなかったとしても、プーチンは失うものはない。他方トランプは、会談場から手ぶらで出てきたのでは面子を失うので、何か(something)を、というよりもう何でもいいから(anything)、受け入れようとするだろう……。

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