アルゴリズムの檻に閉じ込められる思考
僕らがスマホで受け取る情報の多くは、アルゴリズムによって最適化されているらしい。怖さを感じる。
過去の行動履歴をもとに、好みそうな記事や動画だけが選ばれ、異なる意見や価値観は表示されにくくなる。これは「フィルターバブル」と呼ばれ、僕らの視野を知らないうちに狭めてしまう。
思考を練ったり、拡張したりするのには、むしろ「自分と異なる意見」に触れることである。しかしアルゴリズムはそれを“ノイズ”とみなし、排除してしまう。
もし1日だけ、あなたのSNSやニュースアプリが「普段なら絶対に見ない情報」だけを流したらどうなるだろう。
最初は不快かもしれないが、その中には新しい発見や価値観の拡張が潜んでいることは間違いない。この「逆フィード体験」は、思考の檻から一歩外に出る感覚を与えるというのに。
身体性の喪失と現実感覚の鈍化
スマホ利用は、視覚と指先操作に特化している。
そのため、長時間使用すると首・肩・目に負担がかかるだけでなく、現実世界における身体感覚そのものが希薄になる。
実際の人間関係は、声の抑揚や間合い、表情の微細な変化など、多層的な感覚によって成立する。
ところがスマホ越しのやり取りは平面的で、感情が見えにくい。このような人間本来のアクションによる気づき、雰囲気を感じる力も削ぎ落とす。
またまた、一週間だけ、友人や家族との連絡を直接対面か電話のみに限定してみるというのはどうだろう。相手の表情や呼吸、沈黙の時間がどれほど多くの情報を含んでいるかに気づき、文字だけのやり取りの脆弱さを実感するかもしれない。









