シャープが発表した対話AIキャラクター『ポケとも』。手に取りやすい価格ながら、スマホメーカーならではの技術やノウハウが随所に活かされています。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは自身のメルマガの中で、ロボット市場に新たな風を吹き込む『ポケとも』の魅力を探ります。
シャープが対話AIキャラクター「ポケとも」を発表—-スマホメーカーならではの知見が生かされた強み
シャープは11月に対話AIキャラクター「ポケとも」を開始する。第1弾はミーアキャットをモチーフにしたキャラクターで、スマホアプリとロボットが投入される。
ロボットの価格は3万9600円で、全長は12センチ。シャープ独自のAI技術であるCE-LLMにより、一人ひとりに寄り添った音声対話を実現するという。
ここ最近、AIを使った会話ロボットに参入する企業が増えてきたが、やはり、これまでスマホを作り続けてきたシャープにはものづくりにおける強みがあり、他社の追随は許されないのではないか、という気がしてきている。
3万9600円という、機能の割には安価な価格設定がなぜできたのか、疑問に感じていたら、ポケともはSnapdragonのIoT向けチップで動いているという。基本的にはマイクで拾ったユーザーの音声をWi-Fi経由でクラウドに上げるというのが中心だ。またカメラで撮影した画像をクラウドに上げて何が写っているかを分析している。
マイクやカメラの性能などもスマホのノウハウが生きているわけで、やっていることはスマホとあまり変わらないのではないか。
販路においても、ネットが中心になるが、すでにビックカメラやヨドバシカメラといった家電量販店のオンラインサイトでも売っている。
充電台やケースなど、オプション品で稼ごうというビジネススキームが見えてくるが、そうしたものにも販路はとても重要だ。
質疑応答で「ロボホンで培った教訓や反省点が生かされていたりするか」と質問したが、「ロボホンは発売後、ファンコミュニティが醸成された」という点を挙げていた。
また、ユーザーとすると、いざこうしたロボットを目の前にすると何を話したらいいか、わからない。そこでロボホンで積極的に話しやすいような振る舞いをするようにしたと語っていた。こうしたノウハウを持っているという点も、ポケともの強みと言えそうだ。
ユーザーが一緒にお出かけしやすいよう全長12センチという持ち運びやすいサイズ感。また、平日、通勤中でも相手ができるようにスマホアプリも用意し、クラウド経由で、過ごした時間や会話、経験の記憶が途切れることがない。
犬でもなければ猫でもない、ミーアキャットという、好き嫌いがない動物を第1弾に持ってきたというのも考えられている。これが犬、もしくは猫だと、好き嫌いが出てしまい、得られるユーザーの半分を失うことになりかねない。
そう考えると、ポケともはかなり勝てる王道を歩んでいるような気がしてならないのだ。
image by: PR Times









