多少の監視社会も悪くないのではと思えてしまう米国の現状
米国でこんなシステムを導入しようとすると、「米国を監視国家にしてはいけない」「ジョージ・オーウェルの1984年が描いた監視社会だ」「犯罪も犯していない一般市民の監視は憲法違反だ」という猛反対の声が上がることは明らかです。
米国は「権力者に必要以上の力を与えることは良くない」というビジョンの元に作られた国なので、この手の話にとても敏感なのです(銃規制ができないのも同じ理由です)。
ちなみに、中国は日本よりもはるか先を走る監視社会になっていると言われますが、結果として、治安が良くなって良かったと感じている人も少なくないという情報もあります。
2014年から本格的な運用が始まった「社会信用システム」が、各所に設置された監視カメラと連動して、市民の日常行動(列に割り込む、ゴミを捨てるなどの軽微な行為)までその人の評価に加えるようになった結果、日々の行動が、銀行からのローン、就職、子供の入学にまで影響を与えるようになってしまったのです。
米国では、コロナ禍以降、西海岸の主要都市(シアトル、サンフランシスコ、ポートランド)の治安が大きく悪くなりました。移民やホームレスに寛容な州知事や市長が、警察予算のカットなどを行ったことが原因ですが、こんな状況を目の当たりにしていると、多少の監視社会も悪くないのではないかと思えてしまいます。
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(本記事は『週刊 Life is beautiful』2025年9月9日号の一部抜粋です。「メルマガの画像とCloudflare」「Google ナノバナナ」や「私の目に止まった記事(中島氏によるニュース解説)」、読者質問コーナー(今週は12名の質問に回答)などメルマガ全文はご購読の上お楽しみください。初月無料です ※メルマガ全体 約1.6万字)
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