習近平が恫喝。日本に帰化した参院議員・石平氏に「制裁措置」を発動する中国政府の小さすぎる器

 

中国へは帰れないと覚悟を決めていたであろう石平氏

石平氏は恐らく、日本で中国を批判する言論活動をはじめた頃から、中国へは帰れないと覚悟を決めていたのではないでしょうか。そうでなければ、中国批判などできるわけがありません。

一部の人権派弁護士などが、中国国内にとどまりながら、人々のために尽くそうと中国政府を相手取って闘っている立派な人たちもいますが、彼らの多くは身の危険を感じて海外へ亡命するか、政府に拘束され家族のもとに帰してもらえないか、または長期間拘束された後に廃人となって帰って来るかのどれかです。

石平氏は、そんな中国政府のやり方をよく知っているからこそ、日本に帰化して日本から中国を変えようと言論活動に勤しみ、ついには議員になりました。中国外務省の担当者はそんな石平氏について、このように言っています。以下、報道を一部引用します。

石氏が、「中国の内政に干渉し主権や領土の一体性に重大な損害を与えた」のが理由という。「反外国制裁法」に基づく措置で、即日実施する。

同省は、石氏が「台湾や釣魚島(尖閣諸島の中国名)、歴史問題などで誤った言論を拡散し、公然と靖国神社を参拝した」などと非難。親族を含め入国禁止とするほか、中国国内にある資産の凍結、中国国内の団体や個人との交流や取引も禁止する。

外務省の林剣副報道局長は8日の記者会見で、「石氏は反中勢力と結託し、もめ事を起こしている」と主張。「制裁は強力な戒めであり厳重な警告だ」と述べた。

石平参院議員に制裁 「誤った言論拡散」と非難―中国外務省

石平氏は、議員選挙に立候補する際に、一度出馬を取りやめたことがありました。理由は、「ネット上であふれた、私個人への中傷誹謗・罵詈雑言に対し、家族が動揺した」とのことでした。

石平氏、参院選出馬取りやめ

このネットの書き込みは個人なのか組織的なものなのかは分かりませんが、その後、石平氏は「中傷誹謗(ひぼう)に負けて出馬を取りやめたのであれば、民主主義の敗北となる」として、出馬辞退の撤回を表明して選挙に挑み、見事当選を果たしたわけです。

石平氏、参院選出馬辞退を撤回

やはり中国批判についての言論活動を公にするには、よほどの覚悟が必要だということです。中国国外にいるからといって決して安全ではありません。それでも、これほどの恫喝を受けても、臆さず、堂々と受けて立つという姿勢を貫いているのは素晴らしいと思います。

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