新品スマホの価格が年々高騰し、中古スマホ市場が静かに拡大しています。その中心的な存在であるゲオグループのゲオモバイルの説明会に参加したメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは、日本の中古スマホが世界で評価されている事実とその理由について紹介しています。
中古スマホ市場の現状をゲオモバイルが説明—-世界から買い漁られる日本の中古スマホ
中古スマホを扱うゲオモバイルがメディア向けの説明会を開催するということで、東京都江東区にある同じくゲオグループであるワールドモバイルの東京プロセスセンターに行ってきた。
ゲオグループは1986年に愛知県豊田市でビデオレンタル業として創業。いまではレンタル事業だけでなく、ゲームや家電の買い取り、販売、衣料や家具のリユースショップである「セカンドストリート」なども手がけている。
ゲオグループが携帯電話を取り扱い始めたのは、2002年に買収した、北海道の家電量販店「そうご電器」が携帯電話の契約代理業務を手がけていたことがきっかけだという。
2008年のiPhone 3G以降、徐々に中古スマホを取り扱うようになり、2015年に「ゲオモバイル」としての展開をスタート。いまでは800店舗を突破し、1000店舗体制を目指す拡大路線を推進しているという。
ゲオモバイルでは専門知識と接客スキルを備えた「スマホ相談員」を店舗に配置し、端末選びだけでなく、UQモバイルやワイモバイルの契約も一緒に行えるのを強みとしている。
社内ではスマートフォンの知識や接客スキルを認定する資格制度も存在する。料金プランや端末の機能など細かい知識が求められている。
多くの店頭では「Blancco」によるデータ消去ならびに端末の検査が行える機器を備え、その場で買い取った端末をチェックするとともに、その店舗ですぐに販売できる体制を整えている。また、一部の端末に関しては、物流センターに集められ、別の店舗に送られることもあるようだ。
ちなみに取材現場となったワールドモバイルの東京プロセスセンターは、主に法人から買い取られた端末を海外に送るための施設という。
世界的に流通しているiPhoneが、日本国内の法人向け端末として使われ、数年が経過したら、まとめて買い取られて、海外に転売されているというわけだ。
実際、日本でキャリアや家電量販店に持ち込まれたiPhoneを海外に輸出するために、中古スマホの流通を行っている海外企業が日本に上陸してきたという話も聞く。
日本のユーザーは新品のiPhoneを買ったら、すぐにケースに入れて、ディスプレイにガラスを貼るなどとても大切に使う。1年もしくは2年程度で状態のいいiPhoneがあふれている日本市場は、海外の中古スマホ事業者にとって、宝の山に見えるのだろう。
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