ベンダーファイナンスは「売るために自分で買えるようにしてあげる」仕組みで、ボーイングのような超高額製品のメーカーには不可欠な仕組みであり、製品販売と金融が表裏一体になっているのが特徴です。
NVIDIAの場合、融資ではなく投資という違いがあるため少し変則ですが、本質的にはベンダー・ファイナンスと言って良いと思います。NVIDIAはOpenAI以外にも、複数の顧客に対して、投資などの形でファイナンスを行っています。
その理屈で言えば、MicrosoftによるOpenAIへの投資もベンダー・ファイナンスの一種であり、最先端のAIの開発に必要な資金が大きく膨れ上がる中、NVIDIAやMicrosoftのように潤沢な資金を持つ会社が、業界全体に対して成長に必要な資金を提供するようになっているのです。
ベンダー・ファイナンスは、製品やサービスが生み出すキャッシュフローを、業界全体を大きくする再投資に回すという意味ではとても効果的ですが、投資先の会社の倒産や貸し倒れのリスクもあるので注意が必要です。
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