宗教法人の優遇税制とは?
まず宗教法人の税金制度について、整理しておきましょう。
冒頭で述べたように、宗教法人というのは、非常に税金で優遇されています。宗教法人の宗教活動で得たお金というのは、原則として税金はかかりません。宗教活動で得たお金というのは、お布施や寄付などのことです。神社などで売られているお守りやおみくじの販売も、宗教活動として非課税となっています。国税庁のホームページでは次のように解説されています。
お守り、お札、おみくじ等の販売のように、その売価と仕入原価との関係からみてその差額が通常の物品販売業における売買利潤ではなく、実質的な喜捨金と認められるような場合のその物品の頒布は、収益事業には該当しません。
つまりは、おみくじやお守りなどは、本来の原価は大したものではなく、神仏の「御利益」を売りにしている商品については、宗教活動と認めます、ということなのです。
また墓地の販売も、非課税となっています。国税庁のホームページでは、宗教団体の墓地貸付事業について、次のように説明しています。
宗教法人が行う墳墓地の貸付けは収益事業に該当しないこととされており、この墳墓地の貸付けには、その使用期間に応じて継続的に地代を徴収するもののほか、その貸付け当初に「永代使用料」として一定の金額を一括徴収するものも含まれます。
墓地の場合、「販売」とされていても、実は「永代の貸付」とされている場合が多く、つまり、宗教法人が営む墓地販売業は、非課税ということです。
収益事業に関する税金も、普通の企業の約60%でいい
宗教法人は、宗教活動とは別に「収益事業」を行なったりすることもあります。収益事業というのは、不動産の貸付や、駐車場、出版や物品販売などのことです。物品販売も、先ほども述べたようにお守りやおみくじなどは、宗教活動として非課税になります。収益事業を行っていた場合は、当然、普通の企業と同じように税金がかかるはずです。が、この収益事業に関しても、宗教法人は優遇されているのです。
宗教法人が収益事業を行っていた場合、所得金額(利益)の80%に関して、法人税がかかります。つまり、所得金額の20%は免除されるということです。
また宗教法人の収益事業の法人税は、税率が19%となっています。普通の企業の、法人税は約23%です。普通の法人税の8掛けでいいということです。
しかも所得が20%免除されているので、つまり、実質的な法人税率は約15%です。つまり、宗教法人は、普通の企業の税金の6割でいいということなのです。宗教活動で得た利益には税金はかからず、収益事業で得た税金も普通の6割でいいというわけです。
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