10年で10億円荒稼ぎの猛者も。元国税調査官が暴く「財務省キャリア官僚OBの“闇”収入」が隠し通せる巧妙なカラクリ

 

莫大な報酬を巧妙に隠す財務官僚

そして信じられないかもしれませんが、この20年ほどの間に、財務省キャリア官僚の天下り報酬は激増しているのです。多くの国民が長い不況に苦しみ、実質賃金が下がり続けているのに、税や社会保険料負担は増加し続けているというのに、です。

しかも、財務官僚たちの報酬が激増していることは、世間にほとんど知られていません。財務官僚たちは、自分たちがボロ儲けしていることを巧妙に隠しているのです。

そのカラクリを説明しましょう。

多くの国民は財務官僚の天下りに何らかの規制があるのではないか、と思っているはずです。強大な国家権力を握っている官僚たちが、自由に天下りしていれば、日本の政治経済に大きな悪影響を及ぼすことは、容易に想像がつくからです。

当然「官僚での業務に関係する企業には天下りできない」などの規制はあるはずと、一般の人は思っているでしょう。が、信じられないことに現在、日本では国家公務員の天下りに関して、事実上、規制はありません。

管理職以上の国家公務員は、再就職する場合には総理大臣に届け出る義務はあります。しかし、これは届け出るだけです。届け出た後、総理大臣から「これはマズいんじゃないか」「これはダメ」などの指示があるわけではありません。

また国家公務員は在職中に、関係企業に再就職を決めてもいいのです。その場合も、届け出を出せば何も問われないのです。だから財務省の官僚が、在職中に指導監督を行なっていた金融機関に対して、指導監督を行なっている間に再就職を決めても構わないことになっています。

つまり届け出の義務があっても、それは何の規制にもなっていないのです。そのため、財務省のキャリア官僚が、業務の直接関係する銀行や保険会社等に再就職するケースが非常に多いのです。

最近では財務省のトップである財務事務次官、財務官が外資系企業の投資会社や経営コンサルタント会社に天下りするという事例もありました。日本の国家機密を日本でもっとも持っている財務省のトップが、外資系の情報企業に天下りしているのですから世も末です。このことについては、『財務省の国家反逆罪』(かや書房)という本を来月発行する予定です。

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