もはや国軍ではなくトランプの私設軍と化すアメリカ軍
高市早苗は昨年10月24日の所信表明演説で「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」などと、まるで安倍晋三が乗り移ったようなセリフを述べました。でも、本当にそう思っているのなら、今こそドナルド・トランプという「世界のジャイアン」に対して「言うべきこと」を言う時なのではないでしょうか?
高市早苗は今年1月1日の年頭所感で「世界を見渡せば、我々が慣れ親しんできた自由で開かれた国際秩序は揺らぎ、覇権主義的な動きが強まるとともに、政治・経済の不確実性が高まっています」などと危機感を煽りました。でも、本当にそう思っているのなら、今こそ国際秩序を揺るがしているトランプ本人に、覇権主義的な動きを強めているトランプ本人に対して「言うべきこと」を言う時なのではないでしょうか?
国際法を無視し、議会も通さず、大統領が独断で他国を武力攻撃し、民間人を何十人も虐殺した上に相手国の大統領を拉致するなど、こんな無秩序な蛮行が許されるわけありません。たとえマドゥロ大統領が悪の限りを尽くした大犯罪者であったとしても、アメリカの武力介入を正当化することなど絶対にできないのです。そして、こんなデタラメがまかり通っても何も言えない高市早苗には、一国のリーダーとしての資格などありません。
日本はアメリカの属国なので、日本のマスコミはトランプの戦争犯罪の正当化のために、ベネズエラの多くの人々がマドゥロ大統領の強制連行を喜んでいるかのような捏造報道に加担しています。そして、リテラシーの欠落した一部の日本人は、そうした印象操作の報道を鵜呑みにしています。現地の報道を見ているあたしとしては、あまりのおめでたさに溜息しか出ませんが、マドゥロ大統領に批判的だったベネズエラの人々の大半は、アメリカによる覇権的支配にも批判的なのです。
最初は「麻薬」「麻薬」と騒いでいたトランプも、今ではベネズエラの石油が目当てだったと言い始め、当初の「麻薬」は武力攻撃のための口実だったことが分かりました。結局、中国とのG2を目指してモンロー主義に突き進むトランプは、ベネズエラの石油が欲しかっただけで、ベネズエラの民主化など興味なかったのです。そして、トランプは現地時間4日、次なる標的として、コロンビア、キューバ、イランを名指しして警告を発しました。
記者から「コロンビアにも軍事作戦を実行するのか?」と質問されたトランプは「それは良い考えだ」と答え、キューバについては「キューバは放っておいても崩壊するだろう」と述べました。大規模な反政府デモが激化しているイランについては「政府がデモ参加者を弾圧して殺害すれば、彼らは非常に強い打撃を受けることになるだろう」と述べ、イランのハメネイ最高指導者を間接的に脅迫したのです。
アメリカ軍はすでにイランの核施設を空爆しているので、次もまた国際法を無視し、議会も通さず、トランプは独断で武力攻撃を行なうでしょう。こうなって来ると、もはやアメリカ軍は国軍ではなくトランプの私設軍です。それでも高市早苗は、トランプを批判するどころか「ノーベル平和賞」に推薦し続けるのでしょう。しかし、このまま高市早苗がトランプのコシギンチャクを続けていたら「世界の真ん中で咲き誇る日本」どころか「世界の真ん中で孤立する日本」になってしまうのではないかと、あたしは危惧しているのです。
(『きっこのメルマガ』2026年1月7日号より一部抜粋・文中敬称略)
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