ここへ来て興味深いことになっているハンター氏の動き
一方で、ハンター自身は、長年、アルコールや薬物への依存症に苦しんでいました。兄ボウの死後は、荒れた生活となっていたと言われています。そんな中で、発生したのが「ラップトップ事件」でした。2019年、つまり父親が大統領だった時期ですが、ハンターが修理のために預けた「ラップトップ」のデータがFBIに渡ってしまったのです。
この経緯は今でも疑惑に満ちているのですが、修理店の主張は「ハンターがPCを取りに来なかったので怪しいので通報した」ということになっています。ですが、トランプ系の陰謀とか、ロシアの陰謀という説も出たり入ったりしています。それはともかく、ラップトップPCからでてきたのは、薬物を使用していたと思われるハンターの醜悪な写真など、スキャンダラスなデータだったのでした。
さらに24年には、麻薬の使用についてウソの申告をして銃を購入したとして有罪評決を受け、脱税でもトラブルになりました。最終的には父の大統領から恩赦を受けるかどうかで一族がもめるなどの騒動も話題になっています。
いずれにしても、非常に複雑で屈折した経緯を辿ってきたのがハンター氏の半生というわけですが、ここへ来て同氏の動きが興味深いことになっています。それは、ズバリ、
「ダメ人間としての過去をさらけ出して開き直る」
という態度です。そして、これによって、
「民主党系だけでなく、保守系も含めたアンチエリート層に受けたい」
「少なくとも、カマラ・ハリスなどのエリート政治家が主導する民主党の党内政治を引っかき回したい」
という意図を持っているようなのです。これは非常に興味深い動きです。
では、具体的にどんなことをやっているのかというと、
「保守系インフルエンサーとの対談」
「トランプJRとの格闘技対決の申し込み」
「暗号通貨 $LAPTOP の立ち上げ」
と、なかなかどうして派手な動きをしています。
まず、保守系のインフルエンサーとの対談ですが、具体的にはキャンディス・オーウェンズというアフリカ系女性が相手で、アメリカの新保守界隈では結構人気がある人物です。原籍はリベラルながら、リベラルの冷たさと保守の暖かさを実感して転向。その後は、同じくアフリカ系のラッパー、カニエ・ウェストと歩調を合わせてみたり、「黒人の脱リベラル」という運動を展開したりしています。
その内容ですが、なかなか興味深いもので、まずお互いの家族における薬物濫用の「痛み」を語り合っています。その一方で、ハンター氏からは、父親の政権時代にホワイトハウスで発見され彼のものとされた「薬物」は、「自分のものではない」というファクトに関する発信もされています。
また、オーウェンズ氏からは、「以前、ハンター氏を攻撃したことへの謝罪」があったり、二人からは「一緒にバチカンへ行きたい」というコメントもありました。この「バチカン」というのは、勿論、イリノイ州出身のレオ14世のことです。レオ14世は「トランプのポピュリズムを否定」しつつ「エリート主義も同様に批判」していることから、左右対立を克服する鍵を持っているとされます。
ですから、保守のオーウェンズと、リベラルに属するハンターが、「一緒にバチカンへ行きたい」というのは、特別な意味があるのです。それは「トランプ的なものではない」と同時に「クリントン=オバマ的なものでもない」新しい連携を探すという意味になるからです。
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