深まるばかりの簗和生農水相が「予算カット」に関与した疑い
報道によると、衆院選後の今年2月中旬、まだ予算調整中の国交省幹部を簗氏が議員会館に呼び出し、予算について問い合わせていた。そのさいのやり取りについて、担当者は「働きかけや圧力はなかったと思う」と曖昧な発言をしている。しかし、栃木3区のうち、首長が簗氏を支持した那須塩原市と那須町は道路予算が増額され、支持しなかった那須烏山市、那珂川町、大田原市は減額されている。どういうことなのか。
臨時国会初日の10月5日、閣議後に高市首相と面談し、記者たちの前に姿を現した簗大臣は神妙な面持ちでこう語った。
過去に私が道路予算を大幅にカットした。また、首長が自民党の国会議員はいらないという行動をとった。多くの市民町民がそのような判断をしたといった発言について撤回をし、お詫びをいたします。私が担当省庁に予算削減の働きかけをしたという事実はございません。
国会審議が始まる前に火消しをはかったつもりなのだろうが、予算カットに関与した疑いは深まるばかりだ。
自民党では、地元に多くの予算をもたらすことが国会議員の実績として高く評価されてきた。与党議員を選出すれば道路や橋が整備され、野党系だと予算がつきにくいという歪な行政実態が、自民党の集票を支えてきた。
時代とともに透明性や公正な行政配分が求められるようになったが、それでもなお、霞が関を巻き込んだ利益誘導政治がまかり通っていることが今回の発言で露呈したといえる。
本来、国民の血税で賄われる予算の配分は、特定の政治家の利害や感情に左右されるべきではない。住民の生活向上や利便性、公益性に基づいて公平に行われるものだ。それをあたかも私財をばらまくがごとく、「自分を支持しなかったから削った」と誇らしげに語る姿は醜悪というほかない。このような政治家を大臣に登用した高市首相が任命責任を問われるのは当然のことだろう。
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