モノがあふれるいま、「これだけは手放せない」と胸を張って言える道具は、どれくらいあるでしょうか。
暮らしの達人たちに話を聞きながら、数ある選択肢のなかで「なぜそれが手元に残り続けているのか」を、その人の価値観や暮らしとともに紐解いていきます。
今回話を聞いたのは、以前「みんなの部屋」にも登場してくれた料理家の柚木さとみさん。

「もう、暮らしの一部」と話すほど長く愛用している「バーミックス」について、じっくり話を聞きました。
エスゲー(ESGE)社の「バーミックス」

改めてじっくり見てみて思ったんですが、15年使い続けているのにすごくキレイじゃないですか?
そう話しながら柚木さんが見せてくれたのは、愛用歴約15年の、スイスのエスゲー社が製造するハンドブレンダー「バーミックス」。
鍋やボウルの中にそのまま入れて、食材をつぶしたり混ぜたりできるシンプルな調理道具です。

もう日常の一部ですね。ポタージュをつくるってなったらバーミックスを取り出す、みたいな。うちの調理家電の中ではマストアイテムです
自宅では主にポタージュづくりに使っていて、使用頻度は週1回ほど。さらにアトリエで行っている料理教室でもコンスタントに使い、12月のおせち料理レッスンでは、栗きんとんづくりにも活躍しています。
自宅とアトリエの両方で使う、まさに「なくてはならない道具」です。

アトリエのキッチンスペース
残り野菜は、バーミックスでポタージュに
大のポタージュ好きだという柚木さん。
飾り切りなどで残ったニンジンをはじめ、ジャガイモ、カボチャ、ゴボウ、枝豆、ブロッコリー、キノコなど、さまざまな野菜をポタージュにして楽しんでいるそうです。

残り野菜はバーミックスでペーストにしておくことが多いです。ペーストにしておけば、パンケーキに混ぜたり、カレーやスープに加えたり、いろいろ活用できるんですよ。でも私、ポタージュが大好きなので(笑)、バーミックスを使う料理の中でも、いちばん出番が多いのはやっぱりポタージュですね

バーミックスは鍋の中にそのまま入れて使えるのが便利なところ。別の容器に移す手間がないので、洗い物も増えません。
また、刃のまわりに4本の「足」が付いているため、刃が鍋に直接当たらないのも安心です。

今回つくってもらったポタージュも、鍋の中でバーミックスを使って仕上げました。
ジャガイモとタマネギのポタージュ
つくり方はとてもシンプル。
2、水、ジャガイモを加えて煮る
3、野菜がやわらかくなったら、鍋の中でバーミックスを使って撹拌する
4、豆乳と水を加えて好みの濃さに調整する
5、塩で味を整えて完成
6、器に盛り、オリーブオイルを垂らして黒胡椒を削る

できあがったポタージュは完全になめらかにするのではなく、あえて少し粒感を残すのが柚木さんの好み。
野菜が好きなので、ジュースみたいにサラサラにしすぎず、少し素材を感じるくらいが好きなんです

実際にいただいてみると、塩だけとは思えないほど野菜の味がしっかり感じられます。なめらかなのに、野菜そのものを食べているような満足感がありました。
「間に合わせ」で買わない。昔から変わらない、もの選びの基準
そんなふうに柚木さんの暮らしになじんでいるバーミックスですが、使っているうちに偶然、一生ものになったわけではありません。購入したときから「長く使うつもり」だったといいます。

築60年の平屋を手入れしながらアトリエとして使用
もともとハンドブレンダーが欲しいと思っていて、いくつかある選択肢の中から選んだのがバーミックスでした。使ってみたら長く使えたというより、本当に最初から“一生もの”が欲しいと思っていて
決して安い買い物ではなかったものの、料理研究家が使っているのを雑誌などで見て、評判のよさにも惹かれたそう。
ただ、バーミックスだけが特別な選択だったわけではありません。ものを選ぶときの基準は、昔からほとんど変わっていないといいます。
私、機能美のあるものが大好きなんです

たとえばキッチンのボウルなら、かわいらしいプラスチック製よりも丈夫なステンレス製。実際に、30年くらい使っているボウルもあります。
家具も同じ。用途を変えながら30年ほど大切に使っている棚や、1970年代につくられたヴィンテージのラウンジチェアは25年近く愛用しています。

丈夫で劣化しづらくて、機能的なもの。装飾はそんなになくていいんです
飲食店で働いた経験から使い勝手のいい道具に惹かれるようになったこと、そして建築などが好きだった父親の影響も、もの選びのベースにあるのかもしれないと話します。

横浜中華街にある老舗調理器具店「中華街 照宝」のせいろを長年愛用
また、もうひとつ大切にしていることがあります。それは、「間に合わせで買わない」こと。
欲しいものがあっても、納得できるものが見つからなければ急いで買うことは少ないそうです。実際これまでの買い物も「いつかこれが欲しい」と思い続けて、ようやく手にしたものが多いといいます。
しっかり吟味して買うからこそ、手に入れたときの喜びが大きく、それに比例して「大事に使おう」という気持ちも強くなるのかもしれませんね。

カトラリー右にある、ヘンケルスの「ロストフライ ナイフブロックセット」も20年もの
15年使っても「買い替えたい」と思わない
そんなふうに選んだバーミックスは、15年以上経った今も現役で、目立つ傷はほとんどありません。白いボディには多少の汚れが付くものの、スポンジなどで磨けばきれいになるそう。切れ味が落ちたようにも感じず、サビもないといいます。

15年使っているようには見えないですよね
実際に手に取ってみても、長年使ってきた道具とは思えないほどきれいな状態。これだけ長く使っているのに、これまで一度も「そろそろ買い替えよう」と思ったことはないのだとか。
「もし故障したらどうするか」と聞いてみると、返ってきた答えも印象的でした。

まずは修理を考えますね。それでも買い替えることになったとしても、おそらくまたこのバーミックスを選びます。もう使い慣れちゃったので、壊れてもまた同じものを選ぶと思います
15年経った今も変わらず暮らしの中にある。使い慣れた道具を修理しながら、壊れてもまた同じものを選びたいと思える。そんなところにも、柚木さんにとっての「一生もの」の魅力が表れているのかもしれません。
もちろん、気になるところもある。それでも満足:不満は「9:1」
お気に入りのバーミックスにも、少し気になるところはあります。それが、コードと本体が一体になっていること。金属部分と濡らしたくない部分が一体になっているため、洗うときには少し気を使うそう。

洗うときは水を入れたカップの中でスイッチをオン
ボウルにはった水の中にブレンダー部分を入れてまわすことである程度きれいにできる一方、使い終わったあとにスポンジでさっと洗いたいときには、コードがついたままなのが少し気になります。
本体と先端の金属部分が着脱式になったり、本体の防水性がもっと高くなったりしたらさらに理想的。とはいえ、それはあくまで小さな不満です。魅力と気になるところだったら9対1ぐらいだと話すくらい、全体としての満足度は高いそうです。
これからも「気に入ったものだけ」を残していきたい

これからの暮らしでは、少しずつものを減らしていきたいという思いもあるそう。ただし、単純にものを少なくしたいわけではありません。
気に入ったものを長く使えるように、生活の中でものは選びたいし、必要なものだけにしたい
だからこそ、これからも「長く持たなそうなもの」や「間に合わせのもの」は、できるだけ買わないことを心がけていきたいと話す柚木さん。
長く使えるものを探すのではなく、自分が長く使いたいと思えるものを選ぶ。15年以上使い続けているバーミックスは、そんな選び方の先に残った道具のひとつなのでしょう。
価格および在庫状況は表示された10月15日18時のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、購入の時点で表示されている価格および在庫状況に関する情報が適用されます。
この記事のリンクを経由して製品を購入すると、アフィリエイト契約により編集部、制作者が一定割合の利益を得ます。
提供元:ROOMIE









