●注目される民主党の若手とDSAの伸長
ちなみに、戦後の歴代大統領の中間選挙前の支持率ランキングを見ると、ベスト3は、1998年のビル・クリントン(66%)、1986年のロナルド・レーガン(63%)、2002年のアフガン戦争最中のジョージ・ブッシュ子(62%)である。それに対してワースト3は、ルーズベルトの死で副大統領から昇格したばかりの1946年のハリー・トルーマン(33%)、2026年のトランプ(34%)、2006年のイラク戦争泥沼化の中のジョージ・ブッシュ子(37%)。つまりトランプは、戦後米国史上でも最悪レベル
の大統領であるにも関わらず、残り少なくなった熱烈支持者に自分を「米国史上最も偉大な大統領」と呼ばせようと足掻いているのである。
もちろん、選挙は水物で、今後1週間で何がどう動くかは分かったものではない。また負けたら負けたでMAGA派が「民主党の不正(cheat)だと言って暴動でも起こしかねないので、結果を予測し、その先の政権の行方を占うなど、ほとんど甲斐もないことである。とはいえ、各選挙区の動静を見るに、例えばテキサス州の民主党上院候補のジェームズ・タラリコ(37歳)や、ジョージア州の同党上院現職のジョン・オソフ(39歳)などは穏健派の立場から民主党を立て直し、将来の大統領候補にも育ちうる人材として注目を集めている。他方、民主党内でその穏健派の経済政策を批判しながら急速に勢力を広げているのは、マスコミ的には急進左派と呼ばれるが、私に言わせれば正統リベラルだと思う「米国民主社会主義者(DSA)」の潮流で、ミシガン州の上院候補ムスリムのアブドゥル・エルサイード(41歳)、コロラド州の下院候補メラット・キロス(29歳)などがどこまで勝ち上がってくるか、興味が尽きない。
もう1つ、番外編として目を向けておきたいのは、同じ11月3日に行われるワシントンDC(コロンビア特別区)の市長選挙で当選が有力視されている民主党のジェニース・ルイス・ジョージ前市議(38歳)。彼女もDSAの党員で、連邦直轄地であるDCを州に格上げして自治権を獲得すると共に、上下両院に投票権のある議員を送り出せるようにしたいとアピールしている。トランプは彼女を「共産主義者」と呼んで目の敵にしている。
この記事の著者・高野孟さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com








