医療現場で、聴覚障害のある患者と医師のコミュニケーションをどのように支えていくかが課題となっています。鳥取大学医学部では、全医学科生を対象に手話を必修化し、患者の言語や文化を尊重する姿勢を育んでいます。『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では、著者で健康社会学者の河合薫さんが手話教育の意義や幼少期の交流の思い出を通じて、身近なところから始める温かな教育のあり方を考えます。
温かい「教育」
先日、鳥取大学医学部が全医学科生を対象に「手話」を必修化しているというニュースが話題になりました。
受診したろう患者さんからは「医師が手話で挨拶してくれるだけで安心感がまったく違う」と大きな反響を呼んでいます。
医療現場におけるコミュニケーションのバリアをどう解消するか。
この課題は今、世界的なテーマでもありますが、全医学生に手話を「必修」とする大学は非常に稀です。
米国では「プロの有資格手話通訳者」を育て、迅速に手配する制度面を整備しています。一方、欧州では英国のマンチェスター大学が、手話を使用する「聾者や難聴者の医学生」を積極的に受け入れたり、フランスのように主要病院に手話で診療を行う「聾者専用の医療チーム」を設置したり、地域や国ごとに多様なアプローチが進められています。
そうした制度や環境整備が進む中で、鳥取大学のアプローチが際立つのは「未来のすべての医師が自ら手話という言語とろう文化を肌で知る」という点にあります。
手話は国や地域ごとに異なる独自の言語であり、WHOや国連でも尊重されるべき自然言語として定義されています。だからこそ、医師がたどたどしくても手話で挨拶し、「あなたの言語を尊重しています」という姿勢を示すことが、患者さんを安心させるのでしょう。
私も小学校一年の時に、クラスに聾者の子がいたのですね。
先生がみんなに「私とあなたはお友だち」という手話を教えてくれて、みんなで彼女にそれを見せながら、一緒に遊んだ思い出があります。
まずは自分の目と手が届く身近な関係性――「半径3メートル」から相手の言語や背景に関心を寄せる。そんな温かな一歩が、社会のバリアを溶かしていくのかもしれません。
みなさんのご意見、お聞かせください。
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