なぜ元Google日本法人社長は『水素』にたどり着いたのか?辻野晃一郎が考える“病気にならない社会”

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元Google日本法人社長として知られ、メルマガ『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』を発行する辻野晃一郎氏が、いま「水素」に取り組んでいる。

そう聞いて、意外に感じる人も多いのではないだろうか。

ソニーで事業責任者などを歴任し、その後Google日本法人代表取締役社長へ。長年、テクノロジーと経営の最前線を歩いてきた人物と、「水素」「健康」というテーマは、一見すると結びつきにくい。

しかし、辻野氏がこれまで歩んできた道をたどってみると、現在の取り組みは決して唐突なものではない。

ソニーからGoogleへ。「なぜ日本はここまで凋落したのか」

辻野氏はソニーを退社した後、Google日本法人に入った。

当時、Googleは世界的に急成長を続ける一方、日本企業はかつての勢いを失いつつあった。

辻野氏自身、ソニーを離れたときには挫折感があったという。その後Googleに入り、急成長する企業を内部から見ることで、「なぜあれだけ輝いていた日本がここまで凋落し、Googleのような企業にかなわない状態になったのか」という思いを強くしたと語っている。

Googleを離れ、自ら起業した後も、その問題意識は続いた。

大企業がすでに手がけている領域ではなく、日本各地に埋もれている伝統工芸品や日本酒などを世界に紹介したい。

そこで辻野氏が始めたのが、越境ECの事業だった。地方に点在する小さな事業者の商品を集め、「点を面にして世界で戦う」という発想だったという。

辻野氏の起業後の活動には、ひとつの共通点がある。

まだ十分に知られていない価値を見つけ、自ら確かめ、世の中に広げること。

現在取り組んでいる「水素」も、その延長線上にあるのかもしれない。

「小さい頃から健康オタクだった」

もっとも、健康への関心そのものは最近始まったものではない。

辻野氏は、自身について「小さい時から健康オタクだった」と話している。

母方の祖父が非常に健康志向で、笹の葉を粉にしたものや海藻由来の健康食品など、さまざまなものを孫に飲ませていたという。

人工着色料の入った菓子を食べると叱られるなど、幼少期から自然と健康を意識する環境で育った。

しかし、現在の医療や健康への問題意識につながった、さらに大きな出来事があった。

母親のがんだ。

母親に突然告げられた「余命3か月」

辻野氏が30代前半、ソニーで多忙な日々を送っていた頃、母親ががんになった。

当初は「絶対に治る」と思っていたという。

ところが、母親に付き添って病院へ行ったある日、主治医から余命3か月と告げられる。

そこで初めて愕然とし、母親を救うため、さまざまな治療法や代替療法について調べ始めた。

ソニー社内で聞いた情報を頼りに、遠方まで足を運んだこともあった。

それでも、母親を救うことはできなかった。

そして何十年か後、今度は親しい友人を膵臓がんで失う。

そのとき辻野氏が感じたのは、「母親が亡くなってからこれだけの時間が経っているのに、がん治療の基本的な枠組みはどれほど変わったのだろうか」という疑問だった。

そこから免疫や医療について自分自身でも調べるようになり、その過程で出会ったテーマのひとつが「水素」だった。

なぜ「水素水」ではなく「水素吸入」なのか

水素と聞いて、かつて流行した「水素水」を思い浮かべる人も多いだろう。

辻野氏自身、水素水のブームによって「水素」という言葉そのものにネガティブなイメージが付いてしまったと見ている。

現在、辻野氏が関心を持っているのは、水素を水に溶かして飲む方法ではなく、鼻から吸入する方法だ。

水素について調べる中で、医療や健康分野でもさまざまな研究が進んでいることを知り、自身でも論文や医療現場の取り組みを調べてきたという。

一方で、水素が体内でどのように作用するのかについて、すべてが解明されているわけではないとも語っている。

だからこそ、何にでも効く“万能なもの”としてではなく、現在も研究が続く分野のひとつとして、その可能性に注目しているというのが辻野氏の立場だ。

辻野氏が考える「病気にならない社会」

水素そのもの以上に、辻野氏の話で印象的なのが「予防」という考え方だ。

辻野氏は番組の中で、

「一番いいのは病気にならない社会を作ること」

と語っている。

現在の医療は、病気が顕在化してから治療が始まる場合が多い。

しかし、その前段階、いわゆる「未病」の段階で健康な状態に戻すことができるのであれば、その方が望ましいのではないか。

病気になってから治すだけではなく、病気になる前に何ができるのか。

人生100年時代を考えるうえで、辻野氏が強い関心を寄せているのは、この予防医療の領域だ。

そして、その可能性を考えるうえでのひとつのテーマとして、水素に注目している。

Googleを見る目で、水素を見る

辻野氏がGoogleに入った理由のひとつは、急成長する企業の内部に入り、その強さを自分の目で確かめてみたいという思いだった。

ソニーの外からGoogleを眺めるだけではなく、あえて「黒船」の中に入り、何が違うのかを知ろうとした。

その姿勢は、水素に対しても共通しているように見える。

まだ一般には十分知られていないものを、自ら調べ、専門家の話を聞き、現場へ足を運び、その可能性を考える。

その対象が、いま「健康」や「水素」に移っているということなのだろう。

テクノロジーが社会を変えていく現場を見続けてきた辻野氏は、人生100年時代の健康をどう見ているのか。

水素には何が分かっていて、何がまだ分かっていないのか。

そして、「病気にならない社会」を実現するために、これから何が必要なのか。

辻野氏自身が、その考えを詳しく語るオンラインセミナーが11月14日に開催される。

元Google日本法人社長・辻野晃一郎が、なぜ今「水素」なのか?

人生100年時代の健康とヘルスケアを考える

開催日時: 2026年11月14日(土)14:00~15:30
開催方法: Zoomオンライン
参加費: 1,100円(税込)
見逃し配信: あり

当日は、なぜ辻野氏が現在ヘルスケアや水素に取り組んでいるのか、その背景から、人生100年時代の健康や予防医療についてまで、本人が詳しく語る予定だ。

▼詳細・申し込みはこちら
https://peatix.com/event/5204900

また、辻野氏が「なぜ水素なのか」を語ったYouTube番組「Why So Good?」も公開されている。

▼動画はこちら
https://youtu.be/fV8KtF6rQuY

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辻野晃一郎この著者の記事一覧

辻野 晃一郎(つじの・こういちろう):福岡県生まれ新潟県育ち。84年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了しソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、グーグル日本法人代表取締役社長を務める。2010年4月にグーグルを退社しアレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長。また、2022年6月よりSMBC日興証券社外取締役。

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【著者】 辻野晃一郎 【月額】 ¥880/月(税込) 【発行周期】 毎週 金曜日 発行

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