米国のバブルはまだ続くのか? もう崩壊するのか? 強気派と弱気派で意見が対立

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今の内外の株式市場では「度胸試し」「肝試し」状態

『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』3月6日号より一部抜粋

今週は「バブルが疑われているアメリカ株式市場」について、解説します。

今のアメリカ株のバブルは、
・「もうすぐ崩壊するバブル」なのか?それとも
・「まだまだ崩壊しないバブル」なのか???
議論が伯仲しています。

はっきり言えば、今の内外の株式市場では、日本株式市場も含めて、「度胸試し」「肝試し」が始まっています。

今年2015年は、バブル崩壊にまで至らなくても、アメリカ株は今年半ばには、5%~10%~15%くらいは、調整することでしょう。

繰り返しになりますが、今のアメリカ株はかなり過熱。

アメリカ株がバブルか否かは昨年秋より議論が伯仲しています。

以下は、アメリカ株強気派(ブル派)の考え:「アメリカ株は当面は崩壊しないバブル」の紹介です。

今現在のアメリカのS&P500のPERは、19.80倍とおよそ20倍弱。

ITバブルの頂点の頃やサブプライム・バブルの頂点の頃のS&P500のPERは、それぞれ、軽く30倍、40倍を超えていました。

ですから、今現在のS&P500のPER:20倍弱は、バブル領域にはあるものの、バブル崩壊からは「まだまだ距離がある」とも考えられるのだそうです。

そもそも、アメリカの場合は、住宅価格もまだまだ2007年の最高値圏まで距離がありますから、まだまだ向こう2~3年は住宅価格の上昇は続きそうだとのこと(アメリカは、政府自らが国民に「住宅価格を下げないこと」を約束しているような国ですから、アメリカ政府としても、2007年の最高値圏まで住宅価格を戻すことは、大真面目に考えていると思います)。

こういった考えがアメリカ株の強気派たちの根拠になります。

以下は、アメリカ株弱気派(ベア派)の考え:「アメリカ株は近いうちに崩壊するバブル」のご紹介。

シラーPERの方を眺めると、S&P500のシラーPERは、既に27.69倍と、かなりの高水準。このシラーPERは、ノーベル経済学賞を受賞しているロバート・シラー博士が考案したPER。とはいえ、サブプライム・バブルの頂点の頃のシラーPERは、27倍前後でしたから、シラーPERを眺める限り、今現在のS&P500は「既に立派なバブルである」「いつ崩壊してもおかしくないようなバブルの領域に足を踏み入れている。」とも、指摘できるのです。

ただし、ただし!!!

このシラーPERは、ITバブルの頃は、やはり45倍まで急騰していますから、今現在のアメリカ株は、まだまだ「伸び代がある」と、判断できないわけでもない。

さらに、このシラーPERという指標を使うと、「1990年後半以降のアメリカ株は、ほとんどいつもバブルだった!!!」ということになってしまいます。

かくして、「今のアメリカ株はバブルか否か」「アメリカ株はバブルだとしてもそれは近いうちに崩壊するバブルなのか???」の議論が伯仲するわけです。

なにはともあれ、今年2015年のアメリカ株はかなり過熱気味であり、2015年、そこそこ大きな調整がいつ起きても不思議では無いということは、確かでしょう。

『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』3月6日号より一部抜粋
著者/藤井まり子
京都大学経済学部卒。東京銀行調査部産業調査室資源エネルギー担当、トヨタFS証券マクロ金融担当などを経て、現在、ウーマンソフィー経済研究所室長を務める。
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