一体何が原因だったのでしょうか。中国のトヨタ販売店で、中国人従業員が自家用車を購入するために来店した中国人の顧客に対し、大声で罵詈雑言を浴びせる動画が大拡散、批判の的となっています。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、その動画の内容を紹介するとともに背景を推測。さらにこの騒動がトヨタに与える影響を考察しています。
中国のトヨタ販売店で店員が顧客に「買わないなら出て行け」と罵詈雑言。SNSで動画が炎上していた
江西省南昌市の一汽トヨタ販売店において、ある販売店員が顧客に罵詈雑言、その様子をとらえた動画が中国のSNSで拡散、炎上した。
訳すのが難しいが、当店員は「10万元(約200万円)の車を買うということを何だと思っているのか」と顧客に浴びせ、その言い回しが中国ネット界で流行語のようになっている。
あまつさえ、「買わないなら出て行け」とも浴びせている。中国人同士のやり取りで、販売店従業員とはいえ、トヨタの中国におけるブランド毀損にもつながりかねない。
なぜ販売店従業員は激高したのか
詳細なやり取りは不明だ。一説には広州市にいたその顧客は父のために自動車購入が必要になり、同店舗に連絡したところ、「自動車購入にはご来店いただく必要がある」と店舗側からの回答があった。
10月になり、実際に来店、商談に入った。顧客側は一括での支払いを希望したが、店舗側はこれを無視、ローンを利用してください、というようなやり取りがあったという。
この後、特に店舗側、特にそのうちの一人が激高した、という流れのようだ。
実際の映像を見てわかる販売店従業員の異常さ
中国において、特に南昌市のような、小さくはないが地方都市において、10万元の価値は安くはない。年間の生活費にも相当する、ともされるし、それは日本ともそう変わらない感覚。
それを一括払いで、という顧客の態度、また店舗側の戦略としてもローンにしたい思惑があったのかどうか、このあたりの両者の行き違いで発生したものと考えられる。
しかしそうであっても、何があっても顧客に対して罵詈雑言を浴びせるのは、自動車販売店にとって完全なるNGだ。しかも買わないとは言っておらず、支払方法の違いだけで。
実際の映像を見ると、ただでさえ声が大きいと言われる中国人の、その何倍もの音量で、カメラを向けている顧客側に言葉をたたきつけている様子が確認でき、異常だ。
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