水に呪われた中国。相次ぐ水害という“帝国崩壊の予兆”を恐れる習近平が“終身皇帝”の座から引きずり下ろされる日

Guangzhou,,China,-,Aug,22nd,,2014,,Flooding,On,The,Road
 

ここ数年来、大規模な水害に襲われ続けている中国。今年も北京や上海といった大都市が大きな被害を受ける事態となっています。その原因はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『富田隆のお気楽心理学』では著者で心理学者の富田さんが、中国共産党が招いたとも言えるその要因を解説。さらに習近平国家主席が水害を恐れているであろう理由を、中国の歴史を紐解きつつ推測しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:王朝沈没

王朝沈没の予兆か。中国を襲う大水害が示す未来

相変わらず「真夏然」とした猛暑が続いておりますが、あなた様におかれましては、涼やかなご様子にてお過ごしのことと拝察いたします。日暮れ時など、さわーっと風が通り過ぎると、ほっと一息、「秋遠からず」と自分に言い聞かせております。

近頃は、公園の林の中などを歩いておりますと、ミンミンゼミの声が聞こえて来ます。いかにも「蝉の声」という感じがして、長く伸ばした虫取り網で彼らを追い駆けた子供の頃を思い出します。

当時はオリンピック前で、「神宮外苑」の林も今よりはるかに樹木の数が多く、鬱蒼としておりましたから、各種の蝉が鳴き声を競い、子供達にとっては天国でした。

蝉の声が、ツクツクボウシなどに取って代わると、いよいよ夏も終わりに近づくのですが、などと想像して、ふと気が付けば、まだ暦は8月も上旬、何とお盆の前でした。

「人災」で水に沈んだ北京

日本列島は、晴天域に覆われ、猛暑が続き、所によっては「水不足」が囁かれております。ところが、隣の中国大陸では、「豪雨」による水害で大騒ぎです。

7月末に中国を襲った豪雨は、北京の周辺や河北省一帯を水浸しにしました。8万人が避難し、3万棟が水没、あの歴史遺産の紫禁城までもが湖に浮かんだ城のようになり、北京市郊外では5つの村が水没して消滅しました。ネット上の非公式情報によれば、山間部では更に多くの村々が流失したようです。

昔、私も歩いたことのある「故宮」の石畳が、一面、膝までの水に浸かって、まるで池のようになっている映像には、正直、衝撃を受けました。15世紀初頭に永楽帝が築城して以来、史上初めての風景が故宮に広がっているのです。

今回の水害の半分は「人災」です。

これは、人工的なダムという存在が無ければ起こり得ない水害なのです。

北京周辺には密雲ダムをはじめ107基の大小のダムが有るのですが、渇水に備え「満水」状態を維持していたところへ豪雨が続き、危険水位を超え、ダムの決壊を避けるため放水せざるを得なくなり、一斉に放水をしたことで大規模な水害が発生してしまいました。

皮肉なことに、本来、水害から国土や人民を守るはずのダムが、新たな水害の原因となってしまったのです。

何しろ「竹のカーテン」の向こうの出来事ですから、正確な被害状況は分からず、発表された四十数名という犠牲者数もあてにはなりません。

ネットにリークされている映像からは、自動車などが何台も泥水に流されて行く様子や、孤立した人をヘリコプターで救助する様子、湖のように変わり果てた村落の風景、などが見て取れますから、未曾有の災害であるのはほぼ間違いありません。

さらに追い討ちをかけるように、8月4日から、再度、豪雨が北京周辺を襲っています。

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