誰かから情報を引き出したいのに、「話してくれない」「本音が出てこない」と感じたことはありませんか?実はこれ、話し方や質問の仕方を少し変えるだけで、驚くほど結果が変わるのだそう。現役探偵の後藤啓佑さんは、自身のメルマガ『探偵の視点』実際に現場で使っている聞き込みの基礎技術をもとにした日常のコミュニケーションにも役立つテクニックを紹介しています。
情報を引き出す“二段階のステップ”
今回は「探偵スキルシリーズ」として、聞き込みのテクニックを共有したいと思います。
この技術は調査の現場だけでなく、日常生活やビジネスでもそのまま応用できる万能スキルです。
ぜひ自分の周りでも使ってみてください。
そもそも探偵の聞き込みとは、こちらの身分を明かさずに必要な情報を収集する行為です。
例えば、人探しの依頼で、「この人を探しています。知っていますか?」とストレートに聞くと、当然ながら相手は警戒し、ほぼ確実に情報は得られません。
現代は監視社会で、見知らぬ相手への警戒心は昔より強い。昔のように、菓子折りを持っていけば話せる!という時代ではないんです。
そんなときに使えるのが“目的から2段階離れた質問をする”というテクニック。
これが、探偵が聞き込みで最初に使う基本技術です。
例えば、人探しで女性を探す場合ダメな例は、いきなり対象者の話に触れること。
「この女性を探しているんですが、なにか知っていますか?」
めちゃ怪しい!笑
代わりに、探偵はこんな導入をします。
「今度、このあたりに妹夫婦が引っ越してくるんです。子どもが少し体が弱くて。。。この地域の治安や住み心地を聞いておきたくて。」
これ、一見すると探したい女性とは無関係な話ですよね。しかし、この“無関係さ”こそが最大のポイント。
何故こんな話をするかと言うと、相手から見て自分が「この人は何者か」が明確になるからです。
“危険な話ではなさそう”と判断されると警戒心が一気に下がります。
結果として、自然に会話が進み、段々と欲しい情報が引き出せるようになります。
目的に直結しない導入が、実は目的達成の最短ルートなんです。
聞き込みの成功に必要な条件として、探偵が必ず守るのはこの2点。
(1)まず「自分が何者か」を曖昧にでも提示する
肩書きを言うわけではありませんが、「怪しくない人」として認識してもらう必要があります。
(2)相手の警戒心を下げる導入を必ず置く
聞き込みは、相手の警戒心の“高さ”で成否が決まると言っても過言ではありません。
この2点ができなければ、現代の聞き込みはほぼ失敗します。
聞き込みの本質は、いきなり本題に入らないこと。
目的の前に、相手の緊張をほぐし、関係性の地盤を作ること。
ビジネスでも、いきなり値段の話をしない。
目的を先に言うのではなく背景を説明する。
相手が「この人は安全だ」と思える情報を最初に与える。
これを意識するだけで、交渉も相談も驚くほどスムーズになります!!
聞き込みは探偵の基礎スキルですが、応用すればコミュニケーションの質が一段階上がります!
ぜひ意識して使ってみてください。
この記事の著者・後藤啓佑さんのメルマガ
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