ウォン急落・原油高騰・車両規制まで…韓国経済を襲う連鎖危機は止められないのか?

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中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰が、韓国経済に深刻な影を落としています。ウォン安の急進行、巨額補正予算の編成、そして一般市民の車にまで及ぶ可能性のある「車両5部制」の導入検討——。エネルギー危機が家計と産業の双方に波及しつつある中、政府はどのような手を打とうとしているのでしょうか。今回のメルマガ『キムチパワー』では、現地で教育関係の仕事に従事する日本人著者が、釜山発の最新情報をお届けします。

車両5部制もアリか

具允哲(グ・ユンチョル)副総理が、国際原油価格が1バレルあたり120〜130ドル水準に上昇した場合、車両5部制の民間部門への拡大可能性を示唆した。

具副総理は29日午前、あるテレビ番組に出演し「状況がさらに深刻になれば、第3段階(警戒)程度に引き上げなければならない」とした上で「民間にも国民の皆さんにご協力をお願いするためナンバー制を導入しなければならないのではないかと考えている」と述べた。第3段階に引き上げる条件については「原油価格が120〜130ドルに達するなどさまざまな状況を総合的に見て判断する」と説明した。

同副総理は、原油価格上昇による国民負担を抑えるため、政府がさまざまな方向で対応していると強調した。例えば必要に応じて燃料税をさらに引き下げる余地があるとし、ナフサ不足に対応するために代替国から物量を確保し使用分野の優先順位も調整できると言及した。

補正予算と対応策の4本柱

中東戦争による民生経済へのダメージ緩和のため、政府が約25兆ウォン規模で編成中の補正予算案については、高油価対応、小規模事業者・自営業者・物流・宅配業者・若年層などへの民生支援、産業支援、サプライチェーン安定の大きく4分野に集中して支援すると説明した。

ウォン急落と外貨準備の現状

最近ウォン・ドル為替レートが急騰し1,500ウォンを超えたことについて、具副総理は「韓国の外貨準備高は約4,200億ドルを超えており、対外純資産は9,000億ドル水準だ」とした上で「国民の皆さんが心配されるような状況は生じないだろう」と語った。特に世界国債指数(WGBI)への組み入れを機に、国内に流入する資金規模が500億〜600億ドルに上ると見込まれるとして期待感を示した。

一方、不動産市場の安定のため7月ごろに予定されている税制改編案に保有税引き上げが含まれるとの一部の観測について、具副総理は「現時点ではさまざまな意見を聞いている段階で決定したことは何もない」と線を引いた。

最近、李在明大統領が主要都市の保有税をソウルと比較した記事をSNSでシェアしたことなどに関連して「住宅供給の拡大と金融革新が優先であり、さまざまな手段を講じてもうまくいかなければ『最終手段として不動産税制も判断できる』という趣旨で理解している」と説明した。【ここまで釜山日報 パク・ジフン記者コラムベース】

車両5部制とはどんな制度か

「車両5部制」というのは、ナンバープレートの末尾の数字によって、運転できる曜日を制限する制度だ。例えばこんなイメージ・・

末尾1・6 → 月曜日のみ運転禁止 末尾2・7 → 火曜日のみ運転禁止 末尾3・8 → 水曜日のみ運転禁止 末尾4・9 → 木曜日のみ運転禁止 末尾5・0 → 金曜日のみ運転禁止

つまり週に1日は車を使えないというルールだ。5日間で5グループに分けるので「5部制」と呼んでいる。現在は主に公用車(官公庁の車)に適用されているが、記事にあるように原油価格がさらに上昇した場合、民間の一般車両にも拡大する可能性があるということ。日本でも1970年代のオイルショックの時に似たような議論があったのが思い出される。

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

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