新型コロナウイルスをめぐっては、感染の起源からワクチンの安全性まで、いまなおさまざまな議論が続いています。科学的な知見が蓄積される一方で、「人工的に作られたウイルスではないか」「ワクチンにはどのようなリスクがあるのか」といった疑問や主張も根強く残っています。今回のメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』では、生物学者でCX系「ホンマでっか!?TV」でもおなじみの池田教授さんが、mRNAワクチンの仕組みや抗体依存性増強(ADE)、いわゆる「スパイク病」をめぐる議論を取り上げながら、新型コロナワクチンへの疑問を検証します。そして、近年あらためて注目を集めている、新型コロナウイルスの起源をめぐる「人工説」についても考察していきます。
新型コロナウイルスは人工物か?
新型コロナによる死者数は徐々に減少しているとはいえ、2025年の死者数は21497人で、まだまだ感染症の中では断トツに猛威を振るっていると言ってよい(インフルエンザによる2025年の死者数は未だ確定値が出ていないが、数千人規模)。死者の98%は65歳以上の高齢者なので、若い人はワクチンを打つ必要はないだろう。2026年の10月からオミクロン株「XFG」対応の新しいワクチンの定期接種が65歳以上を対象として始まるようだ。
私は2021年の初夏に2度ワクチンの接種をして、その後いろいろ調べて、mRNAワクチンは危険だと自己判断して、それ以降は全く打っていない。ここの所、新型コロナウイルスは人工的に作られたものだ、という説が喧伝されており、私も最初は「まさか」と思っていたが、どうも本当のようだ。本稿では、ワクチンがなぜ危険なのかという話を枕に、新型コロナウイルス・人工説の信憑性について論考したい。
私が3回目のワクチンを打たなかった最も大きな理由は次のようなものだ。mRNAワクチンは、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質に対応する抗体を作って、ウイルスを無毒化するという目的で開発された。スパイクタンパク質を作る情報を組み込んだmRNAを接種して、生身の人の細胞に組み入れて、この細胞のタンパク合成メカニズムを利用してスパイクタンパク質を作る。このスパイクタンパク質は細胞の表面に提示されて、これを認識した免疫系がスパイクタンパク質に対応する抗体を作るというわけだ。
新型コロナウイルスに感染すると、ウイルスは細胞の中に侵入して、細胞の機能を利用して次々とウイルスを合成する。一方、感染細胞はウイルスを分解してスパイクタンパク質を提示して、自分が感染したことを免疫系に知らせる。ここで、ワクチンを打っていて、あらかじめ抗体を持っていると、感染細胞は即座に認識されて攻撃され、細胞もろともウイルスも破壊される。抗体を持っていないと、細胞の中でウイルスがどんどん増えるが、抗体を持っていればウイルスの増殖を抑えられる。これがワクチンによる予防の原理である。
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