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トランプ弾劾なら大戦争ルートへ?北朝鮮情勢「本当の瀬戸際」を読む=高島康司

複数のシンクタンクによると、いまトランプ降ろしに躍起になっているのは、来る北朝鮮攻撃を局地戦ではなく大戦争にしたい勢力であるという。ただ、直近の情勢はここに来て逆転し、トランプ有利の方向に進みつつあるようだ。(『未来を見る!ヤスの備忘録連動メルマガ』高島康司)

※本記事は、未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 2017年5月26日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

局地戦か?大戦争か?半島有事の帰趨を握るロシアゲートに新展開

「来春、北朝鮮攻撃」に関する続報

今回最初のテーマは、来春に起こるかもしれないアメリカ主導の北朝鮮攻撃に関する続報である。

前回メルマガの記事では、複数のシンクタンクの分析レポートが、来春にも北朝鮮の攻撃に踏み切るとの極秘合意がすでに米中ロの間で成立している可能性を匂わしていることを紹介した。

今週はさらに多くのシンクタンクのレポートで、ほぼ同じような内容が示唆されている。特にロシアのシンクタンクでは、さらに詳細な情報を匂わすレポートも書かれている。

キッシンジャーの役割と「戦争を望む」勢力

そうしたレポートによると、米中ロの交渉を仲介し、北朝鮮攻撃の秘密合意を実現させたのはヘンリー・キッシンジャーである可能性が極めて高いとしている。

キッシンジャーはトランプ政権の非公式の外交アドバイザーとして水面下で活発に動いているものの、その実態は主要マスメディアではまったく報じられていない。

そうしたキッシンジャーだが、秘密合意の内容は、北朝鮮を攻撃する場合、被害を最小限に抑える局地戦にすることが絶対的な条件になっているようだ。トランプ政権をはじめ、プーチン習近平もこの方向で合意が成立している。

しかしながら、アメリカには局地戦ではなく大きな戦争を望む勢力が存在しており、彼らは局地戦による解決を模索しているトランプ政権に強く反発して、いま米国内で進められているトランプの弾劾に向けた動きを、既存の反トランプ陣営とともに主導しているという。

トランプ弾劾なら北朝鮮攻撃は大規模に?

ロシアの複数のシンクタンクはこうした情報を示唆している。もしこれが正しいのであれば、トランプの弾劾と、北朝鮮を最小限の犠牲で攻撃する計画とは連動している可能性がある。

もしトランプが来春まで弾劾されずに存続するのであれば、北朝鮮攻撃も非常に限定された規模にとどまるだろうが、万が一トランプが来春までに弾劾された場合、攻撃の規模はかなり大きくなる可能性が出てくる。

もちろん、こうした情報も、特にロシアを中心としたシンクタンクのレポートがニュアンスとして匂わしているに過ぎない。異なったシンクタンクが出している同じようなテーマのレポートを照合させると、うっすらと浮かび上がってくる情報である。明確に表現されているわけではないので、的外れに終わる可能性もある。

しかし、反対にこうした情報が正しいとした場合、北朝鮮との戦争の拡大を望む勢力とはどのようなグループなのだろうか?

Next: 「戦争の拡大を望む勢力」に対抗するトランプの切り札とは?



戦争の拡大を望む勢力とは何者か?

戦争の拡大に最大の利害を持つ勢力といえば、軍産複合体である。では軍産がすべて大規模な戦争を望んでいるかといえば、そうは見えない。

外部からはかなり見えにくく、実際になにが起こっているのか分かりにくいが、軍産にはいくつかの異なった勢力が存在し、その時々の状況で合従連衡を繰り返している可能性がある。

どの勢力も(1)中東流動化政策(大イスラエル政策)(2)ロシア封じ込め政策の2つをアメリカの覇権維持のための基本とし、国防費の最大限の増額を目標にしていることでは変わりない。

だが、マティス国防長官マクマスター安全保障担当補佐官を中心とした、際限のない戦争の拡大を望まない抑制的な反ネオコン勢力と、アメリカの軍事力の絶対的な優位性を戦争の拡大によって示し、アメリカの軍事的な覇権を強権的に維持することを目指すネオコン系の勢力とに、軍産が二分されている可能性がある。

軍産内部の勢力図はいま調べている最中なので、いずれ独立した記事として詳しく書くつもりだが、後者のネオコン系軍産の勢力は、情報機関や共和党主流派、そして民主党の反トランプ陣営と一緒になり、極力犠牲の少ない方法で金正恩(キム・ジョンウン)体制の崩壊を計画しているトランプの追い落としに躍起になっている

形勢逆転、トランプに有利な情勢か?

いまのところ100%の確証があるわけではないか、こうしたことが水面下で進行している可能性は大きい。トランプの弾劾と北朝鮮情勢が具体的に連動しているとしたら、かなり危険だ。もっと情報が集まった時点で、再度記事を書く。

では、トランプが本当に弾劾か罷免される可能性はどこまであるのだろうか?

日本や欧米の主要メディアを見ると、トランプのロシアとの共謀を示す「ロシアゲート」が大きく報道され、すぐにでも弾劾裁判が始まってもおかしくないような印象を持つ。

最近でも、トランプがコーツ国家情報局長官やロジャース国家安全保障局長官に、ロシアとの疑惑を公式に否定するように要請した事実が報道され、トランプの追い落としが急速に進展しているかのような感じを受ける。またブレナン前CIA長官は、トランプとロシアとの関係は確実にあると証言している。

しかし、実際の状況はこうした主要メディアの報道とはかなり異なっている。トランプに有利な状況に形勢が逆転しつつあるのだ。

Next: 「ロシアゲート」キーマン殺害の真実が明らかになりつつある



セス・リッチ殺害の真実

周知のように、「ロシアゲート」と呼ばれるトランプのロシアとの共謀疑惑の焦点になっているのは、ロシアが民主党全国本部のサーバをハッキングし、民主党の極秘文書やポデスタ選対部長の私的メールがウィキリークスを通してリークされたことだ。

このリークでヒラリー・クリントンの選挙キャンペーンは失速し、トランプの勝利につながったとされている。

トランプは選挙戦の期間中にロシアと接触しており、民主党全国本部のサーバのハッキングにも、トランプとロシアとの共謀があったのではないかと疑われている。いまアメリカの主要メディアは、この証明に躍起になっているが、いまのところそれを示す具体的な事実はまったく出てきていない

むしろ、前回メルマガの記事にも紹介したように、民主党全国本部のサーバの情報は、サーバ管理者の1人であった27歳のセス・リッチというITエンジニアによってウィキリークスに提供された可能性が非常に高いことが判明している。

このセス・リッチは、昨年の7月10日に何者かによって背後から撃たれ、射殺された。

遺族は第三者機関の支援を受けて、元ワシントン市警の殺人課刑事のロッド・ホイーラーを雇い独自の捜査に乗り出した。

前回の記事にも書いたように、ホイーラーはセス・リッチのコンピュータを調査したFBIのエージェントとの接触に成功し、コンピューターにはセス・リッチがウィキリークスと連絡を取っていた事実を示す証拠が多数見つかったという証言を得た。

これで、民主党全国本部のサーバのハッキングは内部犯行であった可能性が極めて高いことがはっきりした。最近これは、主要メディアのひとつであるFOXニュースで大きく報道された。

そして、さらに5月17日、セス・リッチの死の状況を暴露した重大な情報の提供があった。

Next: 容体が安定していたセス・リッチを病院で殺害したのは何者か?



セス・リッチは病院で殺害されていた?

アメリカには、日本の『2ちゃんねる掲示板(2ch)』にあたる『4chan』という掲示板群がある。さまざまな話題のスレッドが立っていることでは日本の2chと共通している部分が多いが、政府系組織の内部告発者が秘密の暴露に使っている点が2chと異なっている。

5月17日、セス・リッチを治療した病院の医師を名乗る人物が、ここに書き込みをした。その書き込みは作家でドキュメンタリー監督でもあるビル・スティルに取り上げられ、大きな話題になった。ちなみにビル・スティルは、FOXニュースのコメンテーターも努めている。

以下がその書き込みである。

「私は、昨年ワシントン・ホスピタル・センターからこの病院に赴任した4年目の新人医師です。私が誰なのか発見することは容易でしょうが、どうしても黙っていられないので話すことにしました。

セス・リッチは2発撃たれ、傷口は3カ所ありました。射入口が2つ、射出口が1つです。彼は救急病棟の手術室に運ばれて来ました。我々が試験的に開腹したところ、肝臓のセグメント3に小さな傷があったので、治療しました。さらに、腸に小さな傷が複数ありました。これは、背後から撃たれ銃弾が腹部から出て行った状況ではよく見られることです。我々は傷ついた腸を12センチほど切除しました。翌朝腸の洗浄を行いたかったので、手術を中断したままにしておきました。

深刻な血管損傷や、他の大きな問題はありませんでした。私はもっとひどい状態の患者が助かるのを何度も見て来ました。セス・リッチは、命に危険が及ぶような致命的な状況ではまったくありませんでした

その後、彼はICUに移動し、そこで2単位の血液を輸血されました。気管チューブの抜管基準は-20で、昇圧薬は投与されておらず、容態はとても安定していました。

ところが、セス・リッチが運び込まれてから8時間後、警察官が大勢やってきました。担当内科医と数人の看護士以外は全員ICUを出て行くように命じられました。実に奇妙な出来事でした。

シフトが変わったその日の朝、我々は「昨日入院したVIPは巡回しなくてもよい」と告げられました。私と他の1人の医師以外は、VIPとは誰のことを言っているのか理解できないようでした。

セスが死亡したとき、担当医以外、誰もセスを診ることは許されませんでした。患者の容態悪化を知らせる緊急アナウンスはありませんでした。

私は隣の病室の患者が担当になったので、セスの様子を見ようとしたら物理的に邪魔されてしまいました。こんなことは経験したことがありません。

もちろんセスが意図的に死亡させられたとは言い切れません。でもなぜ彼はこのように扱われたのでしょうか?私には分かりません。私は新人の医師の1人にしか過ぎません。でも、なにか怪しいことだけは確かです」

以上である。医学用語が多いのでちょっと分かりにくいかもしれないが、要するにセス・リッチは致命傷ではなく、容態は安定していたというのだ。大勢の警察官がやって来た後、死亡している。もしこの情報が正しければ、セス・リッチは病院で殺害されたことになる。

高まる疑惑、トランプに追い風

これはアメリカの2chといわれる4chanに立てられたスレッドの書き込みである。だから、どこまで信用できるか分からない。しかし、これを紹介した作家のビル・スティルは番組内で書き込みをしたこの医師に呼びかけ、FOXニュースには証言者を保護するプログラムがあるので、身の安全のためにぜひ自分に連絡するように訴えている。

また、セス・リッチの殺害に関する疑惑の情報はこれだけではない。アメリカのリバタリアン系の――
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WNDの記事

OANの報道

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未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ(2017年5月26日号)より一部抜粋・再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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