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「40~50代で貯金ゼロ」なら何をすべき?崖っぷち世代の貧乏脱出術=午堂登紀雄

「50代で貧乏だったらもう手遅れですか?今40代で貧乏の場合どうすれば?」読者の方からご相談があり、老後貧困を避ける方法を考えてみました。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)

※本記事は有料メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2017年5月22号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。

今、何をどうすれば「老後貧乏確定」の状態から逆転できるのか?

ケース1:もしすでに50代で貧乏だったら

もし50代で貧乏だったら、どうすればいいのでしょうか。定年退職が見えてきて、焦りがある人もいるかもしれません。

しかしこの年代の多くは、そろそろ子どもが巣立ち、教育費など子ども関連の費用がかからなくなる時期。

そのため今はお金がなくても、これからが老後に備えての貯め時と言えます。生命保険なども大きな保障額は不要になるので見直しです。

専業主婦の奥様も仕事に復帰してダブルインカムとなれば、貯蓄のペースも速くなるでしょう。

ただし50代になると勤務先の給料アップを目指すのはなかなかハードルが高いかもしれません。企業によっては、徐々にベースダウンすることもあるようです。

ではどうやって収入・貯蓄を確保するか。

株が危険な50代こそ「不動産」に注目

これは個人的な見解ですが、私はこの年代には株式投資などの資産運用には否定的です。

ただでさえなけなしの資金ですから、もし損失が出ても取り返すには時間が足りない可能性があるからです。

老後の生活設計を狂わせないためにも、元本が変動しないもののほうが望ましいと考えています。

ひとつ有力な可能性があるとすれば、不動産投資です。

なぜなら、投資ローンは徐々に引き締められてきているとはいえ、現時点では特に都心部の区分マンションでは、まだフルローンに近いローンが組めるからです。

資金が少なくて始められ、定年退職と同時に完済するように設定しておけば、借入年数が短いため現役時代はほとんど手残りはありませんが(あるいは少し持ち出しがあるかも)、完済後は毎月5万~8万円くらいの副収入になります。3件ほど持てば月20万円ほどになります。

Next: 50代の貧困脱出は「家族ぐるみ」で/同窓会に必ず行くべき理由



50代の貧困脱出は「家族ぐるみ」で

また、戸建てに住んでいる人であれば、そろそろ大規模修繕が必要になってくる頃かと思います。

もし駅から近いなど条件が良い場所であれば、子どもが巣立って物置になっている2階部分を賃貸仕様にリフォームして貸し出し、賃貸収入を得るという方法があります。

リフォームローンも借りやすいですし、ついでにバリアフリーにすれば補助金も出ます。

あるいは、早い人はそろそろ相続のタイミング。そこで、家族間で合意を得る必要はありますが、親の家を相続するという方法があります。

自分の親だけでなく配偶者の家もありますから、定年退職後は自分の家を売ってそちらに住む、あるいはその逆もできる。

親が健在でも、同居して介護できたほうが安心という人もいるでしょう。

「縁起でもない」と嫌悪感を示す人もいますが、相続は必ずやってくるものですから、親が健在なうちに親の財産を確認しておくのが、家族兄弟で争続にならないためにも必要です。それこそ認知症になってからでは法的手続きが面倒で、モメる原因にもなりかねません。

「同窓会」には必ず顔を出そう

最後に、運次第なのであまり期待できない方法ではありますが、同窓会などにはなるべく顔を出して、旧交を温めておくことです。

いろいろ動いてみたものの定年退職後は職がないという場合、かつての友人知人から「ヒマならウチに来る?」というお誘いがないとは限らないからです。

65歳を過ぎれば、おそらく民間の就職あっせん業者やハローワーク経由などでの就職はなかなか難しいでしょう。

そんなときにモノを言うのが横のつながりによる縁故採用ですから、同窓生だけでなく、今まで出合った人との交流を復活させておくのも良いかもしれません。

Next: 取れる手段がさらに広がる!「もし40代で貧乏だったら」



ケース2:さらに手段が広がる「もし40代で貧乏だったら」

あなたがまだ40代の場合、老後まで時間はありますが、この年代で貯金がゼロでは危機感があるかもしれません。

しかしこの年代は、住宅ローンなどのほか、子どもの教育費に最もお金がかかるタイミング。貯金が少ないのはある程度はやむを得ないと言えます。

それでも何とかしたいという場合、たとえば大学や専門学校には奨学金で行ってもらえば、親の教育費負担はかなり軽減されます。

これには子に対する教育効果もあって、「借金であるから返済義務がある」とか「何も考えず学生時代をダラダラ過ごすと、あとで返済がきつくて苦しむことになる」とか教えることで、子はより真剣に進路など将来の方向性を考え、進学先での過ごし方も変わってくるのではないでしょうか。

また、特定の公的機関に就職すれば奨学金の返済が免除されることもあるので、子の希望進路によってはむしろメリットかもしれません。

「共働き」で追いつき「自己投資」で保険をかける

そして子どもにはあまり手がかからなくなっているでしょうから、奥様も働きに出ることです。

40代ならまだフルタイム正社員の道は残されています。正社員になれば、60歳もしくは65歳まで働くことができ、しかも厚生年金に加入できますから、老後に受け取れる年金の金額が大きくなります。貯金がゼロであればこれは欠かせない選択肢と言えるでしょう。

また、転職相談所などに相談に行って、自分のキャリアの延長線上で65歳以降でも雇用されるのはどういう人材かを聞いてみるのも手です。

そこで、そういう人材を目指して自己投資プランを立て、今から自分の知識やスキル、経験を高めておくのです。

もちろんAIやロボット技術の進化などによって未来の職業ニーズは流動的ですが、定年までまだ時間があるにもかかわらず、わかっているのに無策というのはあまりに無謀でしょう。

「投資信託」よりも「副業」を選ぶ

あるいは定年退職後を見据えて副業に取り組んでおくことです。

あまりお金をかけず、自分の得意領域で試行錯誤して稼ぐ能力を獲得しておくのです。まだ時間がありますから失敗が許されます。今から20年近くもありますから、そのくらい取り組めば、経験値が積みあがって何らかの道が見えてくるはずです。

資産運用という意味では、「50代で貧乏だったらどうやって脱出する?」でも紹介した不動産活用のほか、株やFXなどに取り組んでみるのもアリでしょう。

しかし個人的には投資信託はあまりお勧めしていません。なぜなら、老後に資金が必要となって投信を解約するとき、好況なら増えているかもしれませんが、不況なら減っている可能性もあるわけで、そんな未来は誰にもわからないからです。

もちろん絶対やるなというわけではなく、一部をそうしたもので運用することを否定はしません。

しかし老後資金のメインは、生活設計が立てやすい確定給付型を中心にしたほうがよいというのが私の考えです。

それに、そんな不確実な投信をやるくらいなら、確定拠出年金個人年金のほうが、金利はあまりつかなくても節税分だけ確実にメリットです。節税は本人の能力にも為替相場や株式相場にも関係なく、一律に恩恵を受けられるからです。

Next: 年金が足りないとわかっている「老後貧乏確定」の人はどうする?



ケース3:年金が足りない!「老後貧乏確定」の人はどうする?

年齢に関わらず、自営業など国民年金だけの人の場合、厚生年金という上積みがないため老後に受け取れる年金は会社員よりも少なく、不安があるかもしれません。

そこで年金を増やす方法のひとつに、付加年金国民年金基金に加入する方法があります。

また、確定拠出年金や経営者の退職金としての小規模企業共済も検討に値します。年金代わりになるだけでなく、掛け金全額が所得控除となり、所得税と住民税の節税になるからです。

ただし、ある程度の収入がなければ掛け金そのものを捻出できないということになり、収入が低いとそのような対策には限界があります。

そんな貯金も持ち家もなく、親の家もない、収入が上がる見込みもない、あるいは子の家に転がり込みたくても、子も家がなく貧しいという場合、どうすればいいでしょうか。

ひとつの方法は、健康に留意し、定年後もなるべく長くアルバイトなどで生計を立て、年金の繰り下げ受給をすることです。繰り下げれば繰り下げるだけ受給額が多くなり、長生きすることによる老後の金銭的リスクを低減することができます。たとえば70歳から受給すれば、受け取れる年金額は4割もアップします。

「プチ移住」は有力な選択肢

あるいは、UターンやIターンによって田舎暮らしをすること、いわゆるプチ移住も挙げられます。

特に過疎化など人口減少に悩む地方自治体の中には、住居や仕事の斡旋、あるいは家賃補助など、手厚い待遇を用意しているところもあります。

そうした田舎では生活コストは非常に低く、さらに近隣住民で農作物を融通しあう習慣があるなど、国民年金+アルバイトで最低限なんとかやっていくことは可能です。娯楽が少ないとかそんな贅沢を言っている場合ではないですし。

ただし仕事そのものは少なく、事務職など内勤の仕事はほぼ皆無のことが多く、メインは農業など体を動かす仕事になるかもしれません。

しかし土いじりもやってみると案外楽しいもので、もくもくと作業して汗を流し、実った作物を収穫するというのは、都会に疲れた人には新鮮のようです。

「日本脱出」も住めば都

また、タイやフィリピンといった物価の安い新興国に移住している人もいます。私がしばらく滞在した――
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※本記事は有料メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2017年5月22号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した項目もすぐ読めます。

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午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』(2017年5月22日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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