ハーレーはもう「時代遅れ」なのか? 米国でも若者のバイク離れ

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米国ビジネスモデルコンサルタントの清水ひろゆきさんが、世界の成功企業の経営戦略を紹介するメルマガ『顧客を喜ばせる世界の成功企業最新戦略紹介』。今回は、米国の高級バイクメーカー「ハーレー・ダビッドソン」のブランディング戦略について紹介しています。「ハーレーを所有する魅力」を最大のブランド価値に置いてきた同社ですが、所有ではなく「シェア(共有)する」ことに価値観を見出している若者たちに、ハーレーはどのような生き残り戦略を考えているのでしょうか?

ハーレーが挑む所有するビジネスモデルは生き残れるのか!?

ハーレーのオーナーになりたい

この所有する魅力を最大化することで存在価値を高めているのは、米国の高級二輪メーカーハーレー・ダビッドソンです。

同社はこれまでハーレーにしかないデザイン性を武器に、忘れられない乗車体験を通して、ユーザーが口コミしたくなる流れを醸成し、バイク市場で主導的オンリーワンブランドの地位を獲得することで、需要を伸ばしてきました。

が、今ハーレーは、今後これまでの中高年層だけの支持では、世の中に必要とされる会社にはなれないと気づき始めています。

その理由は、シェア(共有する)という価値観を持ち、「そもそも所有する必要とは何なのか?」と考える次世代の消費者である若年層は、ハーレーがアピールする「所有するかっこよさ」に疑問を抱くのは間違いないからです。

ではハーレーは、この世代に同社のビジネスモデルに不可欠な“オーナーになる”という価値を訴求することを諦めたのでしょうか?

シェアVS所有、オーナーになることを価値にするには!?

ハーレーのミッション(会社が存在する目的)は「モーターサイクルの特定のユーザーに向けて、ハーレーブランドの商品とサービスを充実させることで、ハーレーが提供するモーターサイクルの体験を通して、夢をかなえてもらう」ことです。

それは即ちハーレーのオーナー(バイクを所有するだけに限らず)が、ハーレーという商品を通してモーターサイクルという世界(バイクに乗らずとも)を体験し、自身の夢(仲間と充実した時間を過ごすなど)をかなえることでもあります。

同社が今実施している次世代の若年層へのアプローチとは、ハーレーのオーナー(バイクを所有するだけに限らず)になることで、ハーレーが提供するモーターサイクルの体験を通して<ローカル(地元)><サステナブル(継続可能)>という価値(以下)を実感してもらい、夢をかなえて(<ローカル(地元)><サステナブル(継続可能)>という価値をシェアする仲間と交流する)もらう」なのです。

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