「知事の給与はゼロに」上杉隆氏が都知事選に出馬した本当の理由

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参院選が終わり東京都知事選に注目が集まる中、一部メディアで出馬が噂されていた、まぐまぐの有料メルマガでもおなじみ、元ジャーナリスト・上杉隆氏の東京都知事選の立候補会見が7月12日に行われた。

ジャーナリズムではなく、東京に恩返し

立候補を決めた理由は「都営アパートに住んでいた」「都の奨学金で高校を卒業し、大学へ行くことができた」など、自身の境遇から「東京に恩返しがしたい」という思いからだったと話す。

「現在、都知事選に名前が挙がっている人は、本当に東京都政のことを考え、知って、行動に移そうとしてくれているのか、残念ながらそういう人を見つけることができない。

これまで17年間もジャーナリスト生活を過ごさせていただいた。記者クラブの問題、官房機密費の問題、多様な言論空間を作ろうとしてきた。そして若い人たちも出てきた、個人としてはもう十分ではないか。そこで新しい社会貢献を考えた時に、都知事へ出馬することが恩返しだと思っています。

現在、48歳です。60歳の還暦まで12年間ある。そこで何かをお返しできるのではないかと。あの都営アパートに住ませてもらったこと。そして奨学金をもらって高校を出させてもらったこと。今度はジャーナリズムではなく、東京にお返ししようと思いました」。

1期目の知事給与は「ゼロ」

挨拶を締めた上杉氏は、主要政策として「3つのゼロ」を公約に掲げた。

◯首都直下型地震対策 死者ゼロ

「直下型地震が起きた場合の算出で死者9700人。これをゼロにする。行政や政治リーダーが、自分の住民が死ぬことを前提に算出するのは納得できない。

そのために、昨年度、舛添氏の『東京防災』(防災ガイドブック)は、配布するのに20億円かかった。私は一歩進めて、最低限の防災グッズが必要だろうと考え配布します。水やヘルメットなど、東京都の標準的なもの一式を全戸に配布する。これはひとつ約9,000円で、合計500億円強で実現できます」

◯都内養護老人ホーム 待機者ゼロ

「毎月400人以上の方が都内養護老人ホームの待機者になっています。これを一気に解決する。約110億円くらいの財源があればできるんです。施設はすでに多い。足りないのは、介護士を含めたマンパワー。ここを重点的に補填する」

◯都内保育所 待機児童ゼロ

「他の候補者も政策に上げているが、方法論まで言及している候補者は1人もいない。約7000人を超える待機児童をゼロにするためには、財源は310億円ほど。練馬区長がやられている練馬方式を採用し、幼稚園の空いている場所に保育園を作ります。この方法であれば2年以内に待機児童はゼロになります」。

また、上記3つの政策の前に必ずゼロにできるものとして、1期目の「知事給与ゼロ」全給与を返上すること表明した。

「知事給与はゼロ。1ヶ月146万5600円は返上。ボーナス4ヶ月分の手当を含めた年間約2600万円を返上する。1期目は約1億円は返上します。条例を変えてでも、これはすぐに取り組む。1億円の知事給与を返上した上で『上杉よくやったな、できるじゃん』ということが分かったら2期目から給与をもらいたい」

また、「東京オリンピック運営費を当初のコンパクト案に」という政策を掲げている。

「当初案では東京オリンピックの運営費は4500億円だったが、今では2兆円かかるとも言われています。とても都税では払えません。でも当初のコンパクトなオリンピックに戻せば実現できる」

そして話はそれら政策の財源の話へ。

「地方法人税の再配分は凍結したい。これは当時の増田寛也総務相が『東京都は金がもうかり過ぎ。地方へ回すべきだ』ということで作った法律。年間3,200億円が地方に行っているのはおかしい。都民が一生懸命払った税金が、なぜ地方へ行くのか。3,200億円あれば財源が生まれます。前の知事2人は国に廃止を求めたが、そんな無理は言わない。凍結してほしい。一部だけでもいい。財源はあります。私は知っています。どうすればいいかも知っています」

宣伝カーを作るには2千万円もかかる

ネット番組に多く出演しているため、ネット中心の選挙戦になるのかという質疑もなされた。

「私自身も1999年の都知事選で鳩山邦夫の秘書として戦ってきました。率直に申し上げて、1回の都知事選で、どの政党もどの組織も、費用は1億円を超えます。

今、正直、お金もありません。宣伝カーも作っていない。宣伝カーは作るのに2千万円かかります。ただ、街宣車でマイクを持って演説するのは秘書時代から嫌いなんです。うるさいじゃないですか。街宣車は95~110デシベルくらい。赤ちゃんの泣き声は75~85デシベルなんです。子供の声より大きい声で選挙をやるのはおかしいですよ

政策はたくさんあるが、政策を刷る印刷代がない。あさって告示されたらボランティアにポスターを貼ってもらいます。宣伝カーがないので街頭演説はできないが、ネットで新しいスタイルの選挙をやりたい。ネットばかりに頼ることはできないので、なんとかいろんな方法を使いたい。テレビ討論をやらせてもらえれば、喜んでやりたい」

「東京は自民のものでも、民進のものでも、公明のものでも、野党のものでもない。東京は都民のもの」。上杉氏の言葉と政策は果たして都民に伝わるのか。その答えはこれからの選挙戦にて明らかになるだろう。

image by: MAG2 NEWS

 

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