尖閣以外にも。日本が中国に奪われてはいけない重要エリアとは?

 

今夏、日本国民が思い知った中国の脅威。「中国はすでに日本に対して戦争を仕掛けている」とする専門家もいるほど、事態は深刻化しています。日本に打つ手はあるのでしょうか。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さんは、かつてアメリカが取った「戦略」を例に挙げ、中国の野望を挫くために日本が「大きな譲歩」をしても関係を改善すべき国の名と、その具体的な方法を記しています。

日本の対中戦略におけるロシアの位置づけ

今年の夏、どんなに「平和ボケ」な人でも、ようやく「中国の脅威の深刻さ」に気づいたことでしょう。最近あったことをざっとあげると、

  • 6月9日:中国海軍のジャンカイI級フリゲート艦1隻が久場島北東の接続水域に入る(8日には、ロシア軍艦も、接続水域に入った)。
  • 6月15日:中国海軍の艦艇が鹿児島県の口永良部島周辺の領海に入る。
  • 6月17日:中国軍機がに日本に向けて南下し、航空自衛隊機が緊急発進(スクランブル)。一時「ドッグファイト」状態に、陥る。
  • 6月30日:自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長は記者会見で、今年4~6月に日本領空に接近した中国軍機に対する航空自衛隊戦闘機の緊急発進(スクランブル)の回数が、200回(!)だったことを明らかにする。

そして、極めつけは8月3日から11日までの挑発でした。

海保によると、中国公船は3日に3隻が接続水域に入って以降、8日には最多の15隻が入り、領海への侵入も28回あった。周辺の海域には一時、中国漁船が約400隻集まっていた。
(朝日新聞デジタル8月11日)

皆さんご存知のように、RPEでは、08年9月に出版された『隷属国家日本の岐路』以降、一貫して

  • 日本の実質的脅威は中国一国のみ
  • アメリカ没落で中国は凶暴化していく
  • 尖閣から日中対立は起こる

と書いてきました。当初は、ほとんど本気にされませんでしたが、実際、

  • 10年、尖閣中国漁船衝突事件
  • 12年、日本政府、尖閣国有化

で、日中関係は、「戦後最悪といわれるほど悪化していった。そして、今年6月から8月にかけての挑発で、とても多くの人たちが、「中国の恐ろしさ」に気がついたのではないでしょうか? 日本政府も、本当に真剣に「中国対策」に取り組んでいただきたいと思います。

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