日本が軍備を増強すればするほど対中国戦で負けに近づく理由

kitano20161129
 

先日掲載の記事「これだから日本は『韓国よりロシアを下に扱う』という過ちを犯す」中での「ロシアは内心日本より中国を大切に思っているので、日本はロシアをもっと大切にすべき」との見解に対し、読者から「日本が戦争できる国になる方が現実的」とのメールを受け取ったという無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』著者・北野幸伯さん。北野さんは「その意見は理解できる」としながらも、戦争に勝つためには欠かすことができない「二つの方法」があるとの考えを示しています。

常勝日本軍が中国に負けた理由

読者の井上様から、メールをいただきました。

対中戦略に関して、ロシアと仲良くするより、日本が戦争できる体制を整える方が現実的なのではないかと感じていますがどうでしょうか。

 

(中略)

 

勿論戦争できる国にすることは非常に難しいことですが、安倍政権ならそれが可能ではないでしょうか? 任期も長くなりそうですし…。

 

いずれ世界大戦的なものが起こると危惧しています。その時のためにも戦争できる国にしておき、今度こそ戦勝国になりたいのです。

日本が中国に勝つためには、「戦争できる体制を整える方が現実的」というご意見です。もっともですね。

今回は「戦争に勝つためには二つの方法があり両方とも大事」という話をさせていただきます。

内的バランシングと外的バランシング

A国には、敵対的B国がいる。A国がB国に勝つために、大きく二つの方法があります。一つは、バランシング(直接均衡)。これは、A国自身が責任をもって、B国と対峙するのです。

もう一つは、バックパッシング(責任転嫁)。これは、A国自身戦わず、他国(たとえばC国)をB国と戦わせるのです。たとえば、アメリカはプーチン・ロシアが嫌い。しかし、自分で戦いたくないので、傀儡国家のジョージアやウクライナをロシアと戦わせる。

バックパッシングの話は今回しません。バランシングの話。バランシングにも、二種類あります。

一つは、内的バランシング。これは、自国を強くする。つまり軍備を増強する。井上様の「戦争できる体制を整える」というのも、内的バランシングです。ほとんどの人にとっては聞きなれない言葉でしょうから、以後、内的バランシング(軍備増強)と書きます。

もう一つは、外的バランシング。これは、同盟関係を増強するのです。中国が怖い。だから、日本は、アメリカ、オーストラリア、インド、フィリピン、ベトナムなどに接近しています。

  • 内的バランシング(軍備増強)
  • 外的バランシング(同盟関係増強)

大きく二つの方法があることを、はっきり知っておきましょう。

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