日本が軍備を増強すればするほど対中国戦で負けに近づく理由

 

日本の戦略文化、中国の戦略文化

トランプは、「日本がもっと金を出さなければ在日米軍を撤退させる!」と言った。これを聞いて、内心喜んだ人もいたのではないでしょうか? 「ようやく自立できる!」と。さらに、トランプは、「日本が核兵器を持っても問題ない」といった。これも、内心喜んだ人がいたと思います。

何でも自分でやりたい!」。これは、日本の戦略文化だと思います。もちろん今の日本政府は全然違いますが、日本は本来そういう国民性だと思います。つまり、日本は、内的バランシング軍備増強国家なのです。

一方、お隣の国・中国は全然別の考え方をします。約2,200年前、楚漢戦争というのがあった。軍神・項羽と、農業が嫌いな農民だった劉邦が戦ったのです。項羽は戦闘にめっぽう強く、劉邦に連戦連勝。しかし、劉邦は、地道に同盟関係の増強に取り組み、徐々に味方を増やしていきます。そして最後に一勝し、結果400年続く漢帝国を築き上げた

つまり、中国の戦略文化では外的バランシング同盟関係増強)が内的バランシンング(軍備増強)よりも強い。そして、2,000年以上の時を経て、中国では同じことが繰り返されました。

鬼神のように強い日本軍は、中国で連戦連勝でした。しかし、どういうわけか勝てば勝つほど苦しくなっていく。これは、何だったのでしょうか? そう、中国は、アメリカ、イギリス、ソ連から支援を受けていた。中国は、「外的バランシング」(同盟関係増強)を重視し、米英ソ3大国を味方につけることに成功していた。これでは、いくら日本軍が強くても勝てるはずがありません。

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