東芝、7000億円特損のデタラメ。「真の理由」を公表できぬ裏事情

 

これに関しては、このメルマガの2015年8月6日号に詳しく書いたので、引用します。

東芝の粉飾決済による「水増し利益」は1,562億円と報道されていますが、それよりもはるかに大きな問題が、原発事業を担当するウェスティングハウスの減損処理です。

 

具体的な数字は Facebookでも紹介した「東芝を圧迫する『巨額のれん代』と迫る「債務超過」危機」に書かれていますが、ウェスティングハウスの買収当時に7,467億円に膨らんだ「のれん代」が、原発事故後にThe Shaw Groupにプットオプションを行使されて買い増しをした結果、今では1兆6,000億円にまで膨らんでいます。

 

福島第一での過酷事故後、原発ビジネス全体が低迷し、将来性も見込まれないことをちゃんと考慮して「のれん代」を再評価すれば、数千億円規模の減損処理は免れず、東芝の財務状態が非常に不健全であることが明確になってしまいます。

東芝は、ウェスティングハウスの買収の際には、純資産を大幅に上回る価格で買収をしたため、巨額の「のれん代」がバランスシートに計上されることになりました。

 

本来であれば、福島第一原発の事故で原発ビジネスの低迷が明らかになった2011年の時点で「一括償却」をすべきだったのでしょうが、その年に、ウェスティングハウス株20%を保有していたThe Shaw Groupにプットオプションを行使されて高値で売りつけられることになり、逆にのれん代が膨れ上がることになってしまったのです。

 

経営陣としては、原発事業の低迷が一過性であることを望んでいたのもあるし、共同出資者に与えてしまったプットオプションが損失の上塗りをしたことを明確にしたくなかったというのもあるでしょう(こんな風に株主に正確な情報を渡さない行動こそが、まさに「粉飾」です)。

 

1兆円を超えるまでに膨れ上がった東芝ののれん代は、ウェスティングハウスの窮状を正しく反映すれば、たぶん三分の一とか四分の一の価値しかないのです。つまり、1,562億円の粉飾などは氷山の一角でしかなく、実際には数千億円の損失を計上すべき状況に追い込まれているということです。

2015年時点で明らかになった粉飾で東芝の経営陣が誰も刑務所に入らなかっただけで十分不思議ですが、あの時点で、1兆円を超えるまでに積み上がってしまったウェスティングハウスの「のれん代」を一部でも償却しなかったことは、異常でした。日本の資本主義が、米国などのそれに比べて全く未熟であることを証明する良い事例となりました。

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