カメラのキタムラ129店閉鎖の衝撃。街の写真屋を殺したのは誰か

tempo20170217
 

「カメラのキタムラ」や「スタジオマリオ」でおなじみのキタムラが、全体の1割にあたる129店舗を閉鎖すると発表しました。デジカメ販売、デジカメプリント、そしてスマホ販売と、時代とともに業態も変えてきた同店が業績不振に陥った原因はどこにあるのでしょうか。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが詳細に分析しています。

なぜキタムラは129店を閉鎖しなければならないのか

佐藤昌司です。キタムラは2月14日、全体の約1割にあたる129店舗を閉鎖すると発表しました。主力の「カメラのキタムラ」と写真館「スタジオマリオ」を中心に閉鎖を順次進める計画です。

平成28年の熊本地震の影響によるデジタルカメラなどの減産や写真のプリントの低迷などが影響し業績を悪化させています。

2017年3月期の連結業績予想を下方修正し、売上高は当初計画より263億円減少(15.8%減)の1,405億円、連結営業損益は16億円の赤字連結最終損益が24億円の赤字になると発表しています。大量閉店に伴い、約13億円の特別損失を計上します。

キタムラは、昭和9年に「キタムラ写真機店」が高知県高知市において創業したことから始まります。近年はスマートフォンの販売を強化していますが、基本的にはカメラ関連製品を主に販売して成長してきました。しかしカメラ市場は時代により大きく変動しキタムラを翻弄することになります。

キタムラを翻弄したカメラ市場を考察します。フィルムを使用するカメラ(銀塩カメラ)の総出荷金額は長らく大きな変動がありませんでした。一般社団法人カメラ映像機器工業会によると、1979~2000年まではおよそ3,000~4,000億円で推移していました。多少の振れ幅はあるものの、市場は安定していたといえます。

しかし、2001年以降は大きく落ち込むようになりました。2000年の総出荷金額は3,020億円ありましたが、翌2001年は2,398億円になりました。2002年には2,000億円にまで落ち込んでいます。落ち込みの理由はデジタルカメラが普及したためです。

同会によると、1999年のデジタルカメラの総出荷金額は2,279億円にすぎませんでした。しかしその後急速に成長し、2008年には2兆1,640億円にまで達しました。ところが、2009年からは急速に落ち込み、2015年には8,854億円にまで減少しています。右肩下がりで下降していきました。

2009年以降のデジタルカメラ市場の落ち込みの理由の一つは、リーマンショックに端を発した景気低迷の影響があります。そしてもう一つの理由はスマートフォンの普及が挙げられます。カメラではなくスマホで写真を撮る時代になったからです。スマホの普及でデジタルカメラは衰退していきました。

そこでキタムラはスマホの販売を強化させていきます。スマホを取り扱う店舗の数は、2011年6月では121店舗でしたが、16年12月には448店舗にまでなっています。店舗数を増やしていきました。また、スマホから簡単にプリントできるように、アプリケーションの開発や店頭の環境の整備を推し進めていきました。

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