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2月の福島沖地震で原発に異変?報道されぬ東京五輪「即刻中止」リスク=今市太郎

2月13日に起きた大きな地震で、再び福島原発に問題が発生したとの発表がありました。原子炉格納容器内の水位低下・圧力低下が起きたものの「放射線量は異常なし」とのこと。にわかには信じがたく、近海でとれたクロソイから2年ぶりに基準超え放射性物質が検出されたとの報道もあります。国もメディアも関心を失っているように見えますが、東京五輪の即刻中止を決めるべき状況に陥っている可能性が見えてきます。(『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎)

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国もメディアも福島原発に関心を失っている

東日本大震災から丸10年が近づく中、2月13日夜、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生しました。

不幸中の幸いで震源が深かったことから津波が発生しなかったこともあり、被害は出たものの大きな状況には至らなかったかのように見えました。

しかしその後、福島第一原発では様々な異変が起きていることがわかり、大丈夫ではないことが見え始めています。

国会では菅総理の長男で東北新社社員・菅正剛氏の総務省高級官僚総ナメ接待の問題追及が盛んに行われています。

実は福島原発の地震追加被害の問題は、東京五輪の即刻中止すらも考えなくてはならないほど深刻な可能性があり、この中身をもっと突き詰めて検証しなくてはなりません。

しかし、国もメディアもほとんど地震発生から2週間を経過してほとんど関心がなくなっているのが実情。

相変わらず、何事もなかったかのように東京五輪「強硬開催」に向けて準備を進めているようで、かなり心配な状況になってきています。

何かが起きている?

今回の大地震発生で、久々に福島第一原子力発電所のその後の状況に焦点が当たることとなりました。

しかし、東京電力は22日になって福島第一原発3号機原子炉建屋内に設置した地震計2台がいずれも故障していたにもかかわらず、半年以上放置されたままで地震データの記録がなされていないことを今頃こっそり発表する形になりました。
※参考:東電が地震計の故障を半年以上放置、福島第一原発3号機で 13日の地震記録できず:東京新聞 TOKYO Web(2021年2月22日配信)

つまり13日の地震で正確に建屋がどれだけの震度の揺れを受けたのかもよくわからない状態であることが露見したことになります。

Next: 漏れる水の量が増えている? 福島県漁連が出荷停止の対応も



「異常なし」を繰り返す東電

さらにそれに先立つ19日東京電力は福島第一原発1号機と3号機において原子炉格納容器内の水位が30センチ以上低下し、今もその状況が続いていることを発表しています。
※参考:地震影響 福島第一原発 原子炉の格納容器 水位低下傾向続く | 福島第一原発 | NHKニュース(2021年2月23日配信)

13日の大地震で10年前に損傷を受けた部分がさらに広がり、原子炉建屋内に漏れ出る水の量が増えていることが窺われる状況です。

さらに、東京電力は福島第一原発1号機の原子炉格納容器の圧力が低下したと発表しています。
※参考:福島第一原発1号機 原子炉格納容器の圧力低下 13日地震影響か | 福島第一原発 | NHKニュース(2021年2月22日配信)

1号機の原子炉格納容器は21日夜に圧力が通常の1.2キロパスカルから0.9キロパスカルまで低下したことが確認され、22日朝、周囲の気圧と同程度となる0.15~0.20キロパスカルまで下がり、低下が止まったとしています。

これだけ読むと単に圧力が低下しただけで、たいしたことではないかのような印象を受けます。

しかし実は、東京電力は原子炉の格納容器に窒素を注入して圧力を一定に保ち、新たな水素爆発を防ぐ措置をとっているということですから事態の深刻さに驚かされます。

東京電力は常に気体が漏れても現時点では放射線量に変化はないとしていますが、まともに壊れた地震計の修理もしていない会社に「放射線量は異常なし」などと言われても、にわかには信用できないのが現実です。

近隣でとれたクロソイから2年ぶりに基準超え放射性物質

さらに、悪い話は次々とチェーンリアクションのように続くもの。

22日に福島県沖で行われている、いわゆる試験的な漁において、水揚げされたクロソイという魚から、基準を超える放射性物質が検出され、福島県漁連はこの魚の出荷を停止することとなっています。
※参考:クロソイから基準超セシウム 2年ぶり、出荷停止―福島県漁連:時事ドットコム(2021年2月22日配信)

この基準を超える放射線物質が近隣の魚から検出されたのは2年ぶりとのこと。

先の13日の地震とそれに伴う放射線物質の漏れと何の関係もないのかどうか、相当な素人でも気になるところです。

Next: これでアンダーコントロール? 東京五輪を開催できる状況なのか疑問



アンダーコントロールと言えるのか?

東京五輪の招致を巡っては、安倍前総理が、福島は完全にコントロール下にあり安全であるかのような話を頻繁にしていました。

しかし、10年ぶりに大地震が起きてみれば、表面上把握できている壊れた原発の状況などはごく一部に過ぎず、冷却水が漏れればどこに行ってしまったのかわからない。原子炉格納容器の損傷もそもそも正確には把握できていないので、さらに地震が起きて損傷が拡大しても現状がどうなっているかは類推に頼らざるを得ない状況が見えてきています。

「爆発しないように窒素を封入していますのでご心配なく」などと言われても、まったく危惧の念を払拭することはできない状況にあります。

いま大きな地震が起きてみて気になるのは、そもそもこの福島第一発電所の10年前の事故は地震により電源喪失したから原子炉が壊れたことになっていますが、当時の東電の社員の中からは地震自体に対して耐震性がなく大事故になったといった聞き捨てならない証言も出ています。

ですから、今回のような震度6レベルの地震の追撃があれば、どれだけ建屋とその中の機材が損傷を受けたかなどまったく判らない状態で、アンダーコントロールなどという耳障りのいい言葉は一切信用できません。

東京五輪など開催できる状況ではないのでは?

福島第一原発は、かなり累積的にリスクが高まりつつあります。

しかしながら、どうも国もマスコミも大きな関心を抱いていない様子。ほとんど大した事がないかのような報道が目につき、すでに話題にもならないというのが実情です。

しかし、状況証拠だけから考えても、何かこれまでにない事態が福島原発に起こっている可能性は否定できません。

新型コロナ感染を別にしたとしても、これだけで東京五輪など開催している場合ではないのではないかと思う次第ですが、どうも世間の風向きは違うようです。

想定外の事態がここからさらに起きてくることだけは、なんとか避けられないものか。それを祈るばかりの毎日です。

五輪開催に来日する世界のアスリートたちは、このような状況を本当に気にしないのでしょうか?非常に大きな疑問が残るところです。

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2021年1月配信分
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2020年11月配信分
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2020年10月配信分
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今市的視点 IMAICHI POV』(2021年2月27日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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