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テスラ株20%高は「デイトレーダー心理相場」の典型。投資家の体力喪失に要注意=高梨彰

テスラ株20%高は、「デイトレーダー心理相場」の典型です。これまでの反対売買なのですが、値幅が大きいのが特徴です。まだ暫く振り回される日々が続きます。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)

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※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2021年3月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高梨彰(たかなし あきら)
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。

米ハイテク株、売られすぎから急反発

テスラ株が20%近く値上がり。米ハイテク株全般的に上昇が目立つ1日となりました。驚きです。

米国債市場に目を転じると、長期債を中心に買いが入り金利は低下しています。一方で、2年債や5年債など中期債の買いは長期債ほどではありません。

全般的に押し目買いは入ったのでしょうけど、年限毎の動き、イールドカーブの変化をみるとポジション調整の側面が強いようにみえます。

特に米国債の場合、国債入札に絡んだ動きや仕掛けも入り込みやすい日柄です。

一喜一憂する相場に

総じて、これまでの反対売買なのですが、値幅が大きいのが特徴です。まだ暫く振り回される日々が続きます。

また、振り回され続けると市場の体力も失われがちです。行動経済学的な考え方も、体力喪失を支持します。

市場参加者の心理として、価格が持ち値(買ったり売ったりした値段)の近くを行ったり来たりする時ほど、ちょっとの評価益による喜びと、ちょっとの評価損による悲しみに振り回されがちです。

対して、相場が持ち値から離れ、評価益が多く成れば、喜び度は落ち着きます。反対に、評価損が膨らんだとしても、何時までも悲しみが増すことはありません。諦めが優先されるためです。

これは富豪と貧困、双方の心持ちを想像しても合点が行くはずです。

お金持ちと呼ばれる人は、さらに富が増えても喜びは少なめ(のはず)。同時に、貧しさがさらに続いても諦めの境地が深まるのみです。

ここもとのハイテク株は「行ったり来たり、すれ違い」でして、評価益かと思えば一気に評価損へと転じ、また評価益へと復帰します。日々の値動きが最も気になる展開です。

Next: 自戒が最も必要な場面。「デイトレーダー心理相場」の典型に



「デイトレーダー心理相場」の典型

デイトレーダーに体力が不可欠なのも、この辺に根拠があります。常に新たなポジションを取っては反対売買を繰り返すため、常に持ち値に近いところで振る舞うわけですから。

テスラ株20%高も、そんな「デイトレーダー心理相場」の典型です。

得てしてオピニオンリーダー的な人が「神」と崇められ易い局面とも。相場が強いとか弱いとかイチイチ考えるほど、心理もポジションも混乱を極めます。自戒が最も必要な場面です。

まとめ

・ハイテク株は下げから一転して上昇、評価益と評価損がコロコロ変わる
・持ち値に近いところで上下するときほど、市場の体力は奪われがち
・「神」が崇められ易い場面とも言えまして、イナゴ化しないように気を付けます

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2021年3月配信分
  • 体力を奪う、デイトレーダー心理相場(3/10)
  • 企画部門も悩ます、決算前の株安(3/9)
  • 米雇用、飲食店の増加目立つ(3/8)
  • パウエル議長、インフレ率の2つの視点(3/5)
  • バイデンの軽口と相場の緊張(3/4)
  • 市場も三寒四温、期待から現実へ(3/3)
  • 米製造業、再び過熱(3/2)
  • 1,000円下がったならば、1,000円上がっても(3/1)

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image by:G-Stock Studio / Shutterstock.com

高梨彰『しん・古今東西』』(2021年3月10日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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