菅政権は緊急事態宣言を21日で解除する方針であるとの報道が流れ始めました。すでに打つ手なしとも取れるコロナ対策「国民任せ」の解除で何が起こるのか。ここから花見、新入学、新入社と今までにない人と人との交流が予定されています。(『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2021年3月15日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
緊急事態宣言「解除」の方針
菅政権は首都圏1都3県に発令中の緊急事態宣言を21日で解除する方針であるという報道が流れ始めました。
表面上は病床の逼迫(ひっぱく)度合いが低下したことなどが挙げられています。しかし、実態としてはいくら緊急事態宣言を継続してもすでに首都圏では感染者数を劇的に減らすことはできず、さりとてこのまま非常事態宣言を継続しても飲食等の事業者への給付金は嵩むばかり。
打つ手なしの状況なので、とにかく宣言解除してしまえというのが現実なのでしょう。
この新型ウイルス対策のベストプラクティスは、国民全員がPCR検査を受けることで感染源のクラスターを正確に把握し、徹底的に根絶することであったはず。
しかしながら、この政権はまったくそうした基本的な対策を施すことなく、ただ非常事態宣言を出して当該地域の国民が自主的に自粛をしてきたにすぎません。ですから、なんの効果も出ないのはやる前から判っていたことです。
「これ以上続けても意味がない」「すでに打つ手なし」と、政府と専門家が今ごろ匙を投げるのは、実に無責任な話といえます。
感染拡大から1年を経て、今ごろになってそれを専門家が平気で口にするわけですから、呆れること至極です。
都市封鎖を実施したどこの国でも、こうした緊張感の維持はせいぜい3か月から6か月程度で、それ以上は個人の自助努力による自粛だけで乗り切ろうとすること自体ナンセンスなものです。
さて、この事実上の見殺し戦略を履行した場合、果たしてコロナ感染はいったいどうなってしまうのでしょうか?
コロナ感染者にも「自助努力」
市中には新型コロナ感染からなんとか無事帰還した人たちの体験談などがだいぶ出回るようになっています。
しかし、どこかの有名国会議員の先生でもないかぎり、重傷者以外は陽性が発見されても自宅待機かせいぜいホテルへの雪隠(せっちん)詰めとなるのがお決まりのパターンであった様子。
ホテルなら検温と弁当などの支給はあったとしても、医療的な行為を受けることは一切ないという事実が鮮明になりつつあります。
まさに菅首相言うところの自助努力で、自らの体の抵抗力のみが唯一の武器というかなり恐ろしい現実が待ち受けていることもわかってきています。
Next: 花見、新入学、新入社……若者たちが動き出してコロナ感染は制御不能に
花見、新入学、新入社……若者たちが動き出してコロナ感染は制御不能に
実際に罹患してしまったら、もう誰も何も助けてくれないという非条理な世界が待ち受けることになるわけですが、この時期はもうすぐ桜の開花で花見からはじまって、新入学・新卒の勤務開始などで集団が動き、今までにない新たな「人と人との接触」は爆発的に増える時期でもあります。
春らしい陽気になってきていることもあって、主要駅や繁華街での人出は確実に増えています。
コロナ終息と関係なく人の動きはまったく制御できない状況で、もはや恐怖感だけで個人が自制できる時期は完全に過ぎてしまった感があります。
ワクチンの接種がはじまれば……というほのかな期待もありましたが、民間人が接種できるのは7月からとのこと。そもそも変異株に効くかどうかは判りません。
ワクチンの副反応についても、はっきりしないぶっつけ本番の人体実験は免れず、そもそも予防なだけでウイルスの回復薬ではないことも気になるものがあります。
国はここから本当になにもしない、いわば「新型コロナ見殺し政策」に打って出ているわけですから、もうどれだけ感染が拡大するのかは誰にもわからない時間帯に突入することになります。
変異株の再流行で結局「都市封鎖」再実施か
世界的には新型コロナには感染力も致死率も高い変異株が続々と現れており、ニューヨークなどでは感染のほとんどが変異株になりつつあるといった恐ろしい情報も伝わり始めています。
国内でも同様の状況が到来するのは時間の問題で、夏になる前に恐怖の第4波が日本を襲うことはもはや免れない状況と思われます。
そこに何もしない菅政権の放置見殺しプレーが重なることになれば、これまでを遥かに凌駕するような感染状態が到来することは避けられないところに陥るのではないでしょうか。
東京五輪は世界の変異株集結の亡国イベントになる可能性も
このメルマガでは何度も指摘していますが、菅首相は何をしてもまったくダメでほぼ死に体にある政権を無理やり浮揚するために、東京五輪をなんとしても開催強硬しようとしているように見えます。
もはや観客がいなかろうが参加選手が持てる力を発揮できなかろうが関係なく実施したという、事実だけを確保したいと考えているのは見え見えの状況です。
このままの状態で開催した場合、世界各国から異例の変異株だけが大集結するとんでもないディザスターイベントになる危険性は相当高くなります。
こうなれば菅政権はコロナ起因で総辞職間違いない状態に陥ることになるのでしょう。
Next: 政府は国民を守ってくれない。それでも菅政権の支持率は4割以上
自らの身を守るものだけが生存する時代に
我々小市民はここからはとにかくいかにそれに巻き込まれないようにするかを真剣に考えなくてはならない時間にさしかかっています。
すでに何度もご紹介していますが、100年前のスペイン風邪でも最後はなすすべなく、結局罹患する人は全員罹患し、残念ながら亡くなった方は45万人という莫大な数を残してウイルスはほぼ2年半から3年弱で自ら姿を消しています。
今、我々が向かっているのはまさにこれと同じ無為無策の状態で死者はそこまででないとしてもまだまだ相当な人的被害を覚悟しなくてはならない状況です。
21世紀の先進国社会に生きているのにウイルスが発生したら100年前とほぼ同じという体たらくな状況に直面しているのは情けない限りですが、自分や家族の命は自らで守らざるを得ない状況です。
これでも菅政権を支持する輩が国民の4割以上存在することには驚きを隠せません。
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『今市的視点 IMAICHI POV』(2021年3月15日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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